「子どもが不登校なのにPTAに参加しないといけないのかな」
「子どもがこんな状況でPTAの係なんて絶対できないよ…」
「不登校の親がPTAの係を引き受けないで済ます方法はないのかな」
こんな悩みを抱えていませんか?
不登校の子どもを持つ親にとって、PTAへの加入や役員の負担は大きな悩みの種です。「不登校 PTA」と検索してこの記事にたどり着いた方も、PTA加入は義務なのか、役員を免除される方法があるのかといった疑問を抱えているのではないでしょうか。
私はこれまで、不登校支援のスペシャリストとして100人以上の登校復帰や進路選択をサポートしてきた公立中学校の元教員です。
生徒への支援の傍ら、不登校の家庭の悩みにも寄り添い続けてきました。その中で、不登校の子どもを支えるための時間や精神的負担に加えて、PTA活動がさらに親御さんの負担になっている実態を目の当たりにし、その解決に数多く立ち会ってきました。
この経験を踏まえ、この記事では「不登校の親もPTA加入は義務なのか?」という基本的な疑問から、PTAを回避するための具体的なステップや役員を辞退する方法、加入や非加入それぞれのメリットとデメリットまで、幅広く解説します。
また、不登校家庭がPTAの役員や委員を回避する際に避けるべきNGな方法や、他の保護者との調和を保ちながら上手に対応するためのポイントについても触れています。不登校の家庭にとって無理なく適切な対応を取るための情報をお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。
- 不登校の親にとってPTA加入が義務かどうか
- PTA役員や委員の負担を回避する具体的な方法
- PTA加入や非加入のメリットとデメリット
- 他の保護者との調和を保ちながらPTAを辞退する方法
不登校の親にとってのPTA問題は重い
- 不登校の親もPTA加入は義務なのか?
- 不登校の親はPTA役員を免除になる?
- PTAの加入率はどれくらい?
不登校の親もPTA加入は義務なのか?
結論から言うと、PTAへの加入は義務ではありません。PTA(Parent-Teacher Association)は任意団体であり、入退会は保護者の自由な意思に基づくものです。法律上もPTA加入を強制することは認められていません。
文科省の公式サイトを細かく調べても加入義務についての文言はありません。また法律的にも「PTA・青少年教育団体共済法」という法律に「保護者と学校職員で構成される団体」と定義されているだけで、義務に関する規定はどこにもありません。
PTA加入が義務ではない理由
PTAはあくまで保護者と教職員の自主的な活動を目的とした団体です。そのため、保護者が加入するかどうかを選ぶ権利があります。一部の学校では「全員加入」が慣例化している場合もありますが、実際には加入同意の確認が必要です。また、不登校の子どもを持つ親の場合、学校との関わり方が一般的なケースとは異なるため、PTA加入を見送る家庭も少なくありません。
学校によって異なる対応
一部の学校では、入学時にPTAへの加入が暗黙の了解となっている場合があります。このような状況では、「加入を希望しない」と伝えることで解決することが多いです。特に、近年はPTAの任意性が注目されており、入退会が自由であることを強調する学校も増えています。不安がある場合は、校長先生やPTA会長に事前に相談するのがおすすめです。
注意すべき点
PTAへの加入が任意であることを年度当初にきちんと伝えるところも増えていますが、PTAへの加入率が下がることを恐れ、明言していない学校もまだまだあります。実際に私が過去に在籍していた中学校3校では、PTAへの加入が任意であることや入会意思の確認はありませんでした。この場合、PTAへの加入が「暗黙の了解」とされている可能性があるので注意が必要です。
しかし悲観する必要はありません。PTAに加入しないことも可能ですし、その実例もあります。PTAに加入しない方法については後述します。
不登校の親はPTA役員を免除になる?
PTAに加入している特に不安や負担感を感じるのは、年度始めに行われることが多いPTA役員決めやPTA委員決めではないでしょうか。
残念ながらたとえ不登校の親御さんとはいえ、役員決めや委員決めにおいて自動的に免除されるということはありません。
多くの学校やPTA組織において、PTAの負担はPTA加入者全員が公平に分担するという方針をとっているからです。
不登校の親御さんはお子さんをサポートするためにただでさえ大きな時間的・精神的負担を抱えており、PTAの役員や委員をするのはとても無理だと感じている人も多いでしょう。
実は役員決めや委員決めの話し合いの中で、不登校を理由に免除してもらいたい旨を相談することで配慮してもらえるケースも多々あります。
その一方で地域や学校によっては免除してもらえないケースもあります。不登校以外に、家族の介護や看護をしている家庭、母子家庭・父子家庭、共働き家庭など負担が重いケースは他にもあるが、みんなで公平に協力してもらっていると反論されてしまうケースです。
このように反論されるとそれ以上強く免除を求めることもできず、くじ引きで役員に選出されてしまったという不登校の親御さんも実際に知っています。
不登校を理由にこちらから要望することでPTAの役員や委員を免除してもらえる場合もあれば、免除してもらえない場合もあるわけです。
どちらに転がるかは学校や地域の慣例や、その場の保護者たちの考え方次第と言えます。
しかし役員決めや委員決めをもっとうまく回避する方法もあるので安心してください。うまく回避する方法についても後で詳しく解説していきます。
PTAの加入率はどれくらい?
PTAの加入率は高い水準を維持しているものの、地域や学校によってばらつきが見られます。
東京都PTA協議会が実施した「PTA実態調査2022」によると、加入率が90%以上のPTAが全体の91.2%に達している一方で、加入意思の確認や任意加入の周知を進めることで加入率が下がる傾向も確認されています。
具体的には、加入率100%のPTAが30.2%、95%以上100%未満が51.6%、90%以上95%未満が9.4%でした。これを見ると、多くのPTAが高い加入率を維持していることが分かります。
しかし、「任意加入」の説明や加入意思確認を徹底しているPTAでは、加入率が100%に達しないケースもあり、加入意思の尊重が重視される時代の変化が感じられます。
PTAへの加入が「事実上の強制」という雰囲気はまだ残っているものの、今後は加入意思が尊重される方向へと移り変わっていくことが期待されます。
一方で加入意思を確認しているPTAにおいても高い加入率を示していることから「任意とは言ってもほとんどの人が加入しているのに自分だけ加入しないのは難しい…」と思いやすい状況はしばらく続きそうです。
不登校のお子さんを抱えながらのPTA参加に強い不安を感じる親御さんにとってはPTAをうまく回避するための適切な行動がやはり必要になると言えます。
不登校の親がPTAを回避するための解決策
- 不登校の親がPTAの役員や委員を回避するNGな方法5選
- 不登校の親がPTAの役員や委員をうまく回避するための4ステップ
- 不登校の親がPTA自体に加入しない方法はある?
不登校の親がPTAの役員や委員を回避するNGな方法5選
不登校の親がPTAの役員や委員を回避しようとする際、適切でない方法を選ぶとトラブルに発展する可能性があります。ここでは避けるべきNGな方法について解説します。
- 他人に責任を押し付ける
他人に責任を押し付ける言動はNGです。「私は大変だから代わりにやってほしい」と明言したり、特定の人を名指しするような発言は、保護者間の信頼関係を損ねる原因になります。PTA活動は互いの助け合いの精神が大切です。そのため、自分だけが負担を逃れようとする姿勢は避けるべきです。 - 嘘をつく
嘘をついて回避しようとする行為も不適切です。例えば「病気」や「多忙」を理由に断り、その後にそれと矛盾する行動が明らかになると、保護者間で不信感を招きます。長い付き合いとなる学校生活では、こうした行為は信頼を失うリスクが高いです。 - 感情的になる
役員を辞退する際に感情的になることも問題です。怒りや強い拒絶の態度を示すと、PTA内での雰囲気が悪化します。冷静な態度で話し合いを進めることが重要です。
- PTAに否定的な態度をとる
全ての活動を否定的に捉えるのも避けるべきです。PTA活動には不登校の子どもが学校に再び足を運ぶきっかけや、保護者同士で有益な情報を得られる場面もあります。全てを拒絶する姿勢はかえって孤立を深める可能性があることを念頭に置きましょう。
- 全体の前で相談する
これはNGとまでは言いませんが、私の経験上、避けた方がいい方法です。というのもこちらの要望を受け入れてもらえない場合や、受け入れてもらえたとしても周囲の保護者から反感を買ってしまう場合があるからです。
私の知っている不登校のお母さんのケースを2つお話しします。
<1つ目のケース>
学年やクラスで多くの保護者が集まっている前で「うちは不登校なので役員や委員は免除してもらいたい」と要望を伝えたお母さんが、その時の役員さんから「不登校以外にも介護や病気など負担の重い保護者は他にもいるから免除は難しい」と言われてしまい、それ以上要望ができなくなってしまいました。
<2つ目のケース>
別のお母さんも同じような状況で要望を出したところ、親身になってくれた役員が要望を了承してくれましたが、保護者の一部から「うちだって大変なのにずるくない?」など不満の声がぽつぽつと上がり、お母さんも居心地が悪くなってしまいました。
このように全体の前で、不登校を理由にPTAの役員や委員を辞退したいと要望すると、役員や保護者の考え方によって、要望が通らない、あるいは快く思われなくなるという事態が起きる可能性があるのです。
不登校の親がPTAの役員や委員をうまく回避するための4ステップ
不登校の親がPTAの役員や委員を回避するには、適切な手順と説明を心がけることが重要です。以下に私が関わったお母さんたちがスムーズにPTAを回避できた効果的なステップを紹介します。
1.担任に相談する
まずPTAの役員・委員決めが行われる日より2週間以上前に、担任に相談してみましょう。親身になってくれる担任であれば、校長づてにPTA会長に相談してくれるからです。
担任に相談する際は、自分の状況をできるだけ細かく伝え、PTA活動に参加する物理的な時間がないことを説明してください。
例えば
「子どもが完全不登校で家を空けると不安がひどくなる状況なので、家を空けることができない」
「子どもの不登校に加え、親を介護する必要も出てきて外出する時間がそもそも取れない」
などです。
実際に私も担任していた不登校の子のお母さんから相談を受け、校長にかけ合った結果、PTAの役員・委員を免除してもらえたというケースが数多くあります。
なおいきなり校長や副校長に相談するというのはおすすめしません。保護者からの相談窓口は基本的に担任であり、担任を飛び越えて校長や副校長などの管理職に相談した場合、学校側からの心象が悪くなり、不利益を被る可能性があるからです。
しかし担任に相談しても対応してくれない場合は話が別です。
2.担任が無理だったら校長・副校長に相談する
この場合は校長や副校長に相談してみましょう。自分の状況やPTA活動への参加が物理的に無理な理由に加え、その旨を担任に相談したが取り合ってもらえず困っていることも伝えてください。
担任の裁量では取り扱えない問題も、校長や副校長であれば柔軟に対応できる場合がとても多いからです。
私の経験上も、ある保護者が担任から門前払いされたPTAに関する相談を、改めて校長に直接相談したところ、うまく取り計らってもらえたというケースが何件もあります。
担任の心象は悪くなるでしょうが、親身に取り合ってくれない担任の心象を気にするよりも、不登校に苦しむお子さんや保護者の方自身の余計な負担感を取り払うことを優先すべきです。
私が見聞きしてきたケースを振り返ると、担任への相談、それが無理だった場合の校長・副校長への相談で、PTA活動をうまく回避できる場合が多いです。
しかしもし校長や副校長に相談しても対応を考えてくれない場合も中にはあります。
3.校長や副校長も無理ならPTA会長に相談する
校長や副校長が動いてくれない場合は、PTA会長に直接相談してみましょう。直接面会してでも、電話でも、手紙でも構いません。
学校側に取り合ってもらえなかったこと、そして実際にPTA活動がどうしても物理的に無理であることを必死で訴えましょう。
この段階まで来てしまった場合は、嘘はいけませんが、多少オーバーに状況を説明するのも手です。
不登校という問題以外に、家庭内の問題、仕事上の問題、その他の問題により、他の家庭よりもはるかに日々の負担が重く、どう工夫しようともPTA活動への参加がどうしてもできないのだということを強く懇願してみることです。
私がかつて関わったお母さんの例ですが、融通があまり効かない校長が赴任した時期に、PTA活動を回避したいとお母さんから相談があり、校長に掛け合いましたが取り合ってもらえないということがありました。そこでPTA会長が来校した際に世間話の中でこのお母さんのことを伝え、お母さんの話をPTA会長が直に聞いてもらう機会を作ってもらい、PTA活動を回避できたというケースがあります。
学校側に相談してもうまくいかないときは、PTA会長に直に相談してみると解決できる場合もあるのです。
ではPTA会長からも理解を得られなかった場合はどうすればいいか。
4.PTA会長でも無理ならPTAへの非加入を検討する
ここまで来てしまうケースは少数ですが、この場合はPTA自体に「加入しない」というのも手です。
後述しますがPTAに加入しない場合のデメリットはあります。しかし学校やPTAが融通を効かせてくれない場合、もし泣く泣くPTAの役員・委員決めに参加して万が一、役職に就くことになってしまった場合の苦労と比べてよく検討してみてください。
もしPTAに加入しないデメリットよりも、PTAの役職に就いてしまう苦労の方が重ければ、PTAに加入しないという選択はお子さんや自分を助けることになります。
PTAの役員・委員になることがどうしても難しい場合には、役員・委員決めの日にちよりも前にPTAに加入しない旨をPTA側に伝えるようにしておきましょう。
不登校の親がPTA自体に加入しない方法はある?
PTAが任意加入である以上、不登校の親がPTAに加入しない選択肢は存在します。以下に具体的な方法を説明します。
まず、入会の意思表示をしないことが重要です。PTA加入は入学と同時に自動的に行われるケースもありますが、これには法的な根拠がありません。学校側にPTAが任意加入であることを確認し、入会を希望しない旨を正式に伝えましょう。
また、入会届を提出しないのも有効な方法です。多くの学校では入会届を配布していますが、未提出のままにしておけばPTAに加入していないとみなされます。もし後日問い合わせが来た場合でも、任意加入のため加入しない選択をしていることを説明すれば問題ありません。
校長やPTA会長に事前に相談することも大切です。特に不登校の事情を抱える家庭であれば、その理由を明確に伝えることで、理解を得られる可能性が高いです。この際、手紙やメールなどで記録を残しておくと安心です。
一方、未加入のデメリットについても考慮する必要があります。PTAに加入しない場合、学校の保護者間での情報共有の場が限られることがあります。また、非加入の家庭として目立ってしまう可能性もあるため、事前に十分な準備と配慮を行いましょう。未加入のデメリットに関しては後で詳しく解説します。
これらの方法を活用することで、不登校家庭の状況に適した対応を取ることが可能です。
不登校の親が悩むPTA問題Q&A
- PTAに加入した場合/非加入の場合のメリット・デメリットは?
- 不登校の親がPTAを断ると周囲からどう思われる?
- 不登校の親がPTAを回避しつつ他の保護者と調和を保つ方法4選
- すでに引き受けているPTAを辞退できるか?
PTAに加入した場合/非加入の場合のメリット・デメリットは?
PTAに加入するかどうかを悩む不登校の親にとって、メリットとデメリットをしっかり理解することが大切です。それぞれのケースについて具体的に解説します。
1.PTAに加入した場合のメリット
PTAに加入すると、学校や地域とのつながりが深まりやすいという利点があります。特に子どもの教育環境や安全を守るための活動に関与することで、学校生活への理解が深まるでしょう。また、他の保護者や教員との交流を通じて、有益な情報や支援を得られる可能性も高まります。
さらに、PTA活動を通じて、学校運営に直接関われる機会が得られる点も魅力です。行事やイベントで役割を果たすことで、学校と家庭の橋渡し的な役割を担うことができます。
2.PTAに加入した場合のデメリット
一方で、PTA活動には時間的な負担が伴います。会議や行事への参加、場合によっては資料作りやイベント運営など、忙しい親には難しい場合があります。特に不登校家庭では、子どものケアに専念したい中でのPTA活動が負担になる可能性があります。
また、役員や委員になった場合、人間関係のストレスを感じることも少なくありません。価値観や考え方の違いが原因で、トラブルになるケースも報告されています。
3.PTAに非加入の場合のメリット
PTAに非加入の場合、時間や労力が自由に使えるというメリットがあります。学校行事や会合に参加する義務がないため、仕事や家庭の都合に集中できます。また、PTAに関わることで生じる人間関係の煩わしさを避けられる点も安心です。
さらに、不登校の子どもがいる場合、PTA活動に参加しないことで、親としての心の負担が軽減されることもあります。不登校の事情を抱えていると、他の保護者と話すことに抵抗を感じる方も多いですが、それを避けることができます。
4.PTAに非加入の場合のデメリット
ただし、PTAに非加入の場合は、保護者間や学校との情報共有の機会が減少する可能性があります。PTAを通じて得られる学校内外の情報や、地域での支援ネットワークにアクセスしづらくなる点はデメリットと言えるでしょう。
また、非加入が周囲に知られると、他の保護者から疎外感を感じる場合があります。全員加入が当たり前だった環境では、「負担を分かち合わない」と見られることもあり、孤立感につながることがあります。
加入・非加入それぞれにメリットとデメリットがあるため、家庭の事情や不登校の状況に応じて慎重に選ぶことが重要です。
不登校の親がPTAを断ると周囲からどう思われる?
不登校の親がPTA活動を断ると、周囲の反応が気になることもあります。ここでは考えられる反応や、断る際の注意点について説明します。
周囲からの理解が得られる場合
PTAを断る理由を正直に伝えることで、多くの保護者や教員が理解を示してくれる場合があります。不登校の子どもを支えるために時間を割きたいと説明すれば、「仕方がない」と納得してくれるケースも少なくありません。
また、学校がPTAの適正化を進めている場合には、不登校家庭に対して柔軟な対応をしてくれることもあります。そのため、事前に学校やPTA会長に事情を伝えておくと安心です。
批判的な意見を持たれる場合
一方で、一部の保護者からは「役員を避けた」という印象を持たれる可能性があります。「他の家庭も忙しいのに」と思われたり、「負担を分かち合わない」と感じる人がいるかもしれません。このような意見は特に、全員加入や全員役員制が根付いている環境で起こりやすいです。
また、明確な理由を伝えずに断ると、誤解を招くリスクもあります。不登校の事情を伏せたままだと、「協力する意思がない」と受け取られる場合があるため注意が必要です。
PTAを断る際の工夫
PTAを断る際には、丁寧な説明と代替案の提示がポイントです。たとえば、「今は不登校の子どものケアに集中したいが、可能であれば資料作成など自宅でできる範囲でお手伝いしたい」と申し出ることで、誠意を示すことができます。
実際に私が関わったケースでも、PTAに加入しない代わりに、集計作業や広報物のレイアウト作成など自宅でできる手伝いで貢献しながら、周囲の保護者と円満な関係を作り上げていたお母さんもたくさんいます。
また、断る際には冷静かつ簡潔に伝えることが重要です。感情的になると、誤解を生んだり、無用なトラブルを引き起こす可能性があります。
断った後も、可能な範囲で学校や保護者との関係を良好に保つことを意識すれば、不登校家庭としての立場を守りながら穏やかに過ごすことができるでしょう。
不登校の親がPTAを回避しつつ他の保護者と調和を保つ方法4選
PTAを回避しながらも、他の保護者との関係を円滑に保つことは可能です。ここでは、調和を損なわないための具体的な方法を紹介します。
- 理由を率直に伝える
不登校の子どもを支える親としてPTA活動に関わる余裕がない場合、率直にその理由を伝えることが重要です。「不登校の子どものケアに集中したい」という具体的な事情を丁寧に説明すれば、多くの保護者は理解を示してくれるでしょう。特に事前にPTA会長や役員に話を通しておくと、後々のトラブルを防ぐことができます。 - 可能な範囲で協力を申し出る
完全にPTAを回避するのではなく、できる範囲での協力を提案することがポイントです。たとえば、資料作成や事務的な作業を在宅で行うなど、自分の負担を軽減しながらPTA活動に関与する方法があります。「子どものケアを優先したいが、できることはサポートします」と伝えることで、誠意が伝わりやすくなります。 - 積極的に情報共有を行う
PTA活動を回避している間も、学校や地域の情報には関心を持ち、他の保護者と適度にコミュニケーションを取ることを心がけましょう。イベントや行事の情報を共有したり、簡単な会話を交わしたりするだけで調和を保てます。定期的に学校からの連絡に目を通し、必要な場面ではフォローを行う姿勢が大切です。 - PTA活動に感謝の気持ちを示す
PTAに参加しない立場でも、他の保護者の労力に対する感謝を忘れないことが調和を保つ鍵です。活動への直接的な関与が難しい場合でも、イベント時に「お疲れさまです」「ありがとうございます」といった言葉をかけるだけで印象が良くなり、関係が円滑になります。
私がサポートしてきたお母さんたちもそうでしたが、PTAをうまく回避できた場合も、何か後ろめたい気持ちが心に残り、周囲の保護者との関わりに消極的になってしまいがちです。
しかし不登校の子どもを抱えていることはそれだけでとてつもなく大変な大仕事です。周囲に協調の姿勢や感謝の気持ちを持ちながらも、堂々と過ごしてもらえたらと願います。
不登校の事情を抱える中でのPTA回避は、慎重な対応が求められます。誠意を持って事情を説明し、協力できる部分では積極的に動くことで、他の保護者との関係も良好に保つことができます。
すでに引き受けているPTAを辞退できるか?
すでにPTA役員や委員を引き受けた場合でも、辞退することは可能です。ただし、円滑に辞退するためには適切な手順と配慮が必要です。
1. 辞退の理由を正直に伝える
まず、辞退を考える理由を正直に伝えましょう。不登校の子どものケアや家庭の事情を具体的に説明することで、相手に納得してもらいやすくなります。たとえば、「子どもの状況が急変し、これ以上活動を続けるのは難しい」といった背景を丁寧に伝えると良いでしょう。
2. 辞退の意向を早めに伝える
辞退を決めた場合、できるだけ早い段階で担当者やPTA会長に連絡することが重要です。役割が他の人に引き継がれる際、時間的余裕を持たせることで、相手にも迷惑がかかりにくくなります。また、直接会って話すことが難しい場合は、電話やメールで早めに意思を伝えましょう。
3. 引き継ぎをきちんと行う
すでに引き受けた役割がある場合、引き継ぎをしっかり行うことが辞退を円滑に進めるコツです。資料や進行中の業務があれば整理し、次の担当者がスムーズに対応できるよう配慮しましょう。この姿勢を見せることで、誠実な印象を残すことができます。
4. 他の方法で協力を提案する
完全に手を引くことが難しい場合、負担の少ない方法で協力を申し出るのも一つの手段です。たとえば、「会議には参加できないが、資料作成をお手伝いする」など柔軟な対応を提案することで、責任を果たす姿勢を見せられます。
辞退に伴う注意点
辞退する際には、他の保護者や役員に不快感を与えないよう配慮することが重要です。感謝の言葉を添えて辞退を申し出ることで、相手の理解を得やすくなります。また、一度辞退した場合でも、状況が改善したときには再度協力する姿勢を見せると、信頼関係を保つことができます。
適切な対応を心がければ、PTA活動を辞退することは決して不可能ではありません。
私が関わったお母さんたちの中にも、PTA委員を引き受けたものの、お子さんの対応で疲弊してしまい委員を途中で辞退したケースが何件かありました。しかし適切な手順をしっかり辿ることで、円満にPTA委員を辞退でき、その後も他の保護者と良好な関係を保つことに施工しています。
不登校家庭の事情を大切にしながら、自分に合った方法で学校や保護者と関わり続けましょう。
不登校の親がPTA問題に悩まされないために:まとめ
- PTA加入は任意であり、法律的な強制力はない
- 学校や地域によってPTA加入や役員の免除対応は異なる
- 不登校の親は担任や校長に早めに相談し、事情を説明すべき
- PTA活動を回避する際は代替案を提案し誠意を示すことが有効
- 不登校家庭はPTA非加入の選択肢もあるがデメリットも存在
- PTA加入時も家庭状況に応じた柔軟な関わり方を検討するべき
- 他の保護者との関係を良好に保つことが解決への鍵
不登校のお子さんを抱える保護者の方にとってPTA活動は非常に負担が重いものです。しかし不登校の保護者の方にとって一番大切なことは、不登校のお子さんが今の状況を脱し楽しい人生をもう一度歩めるようになることのはずです。
その実現のためにPTA活動が何らかの妨げになるようなら勇気を出して回避することをおすすめします。
私がサポートしてきた保護者の方々も「子どもの状況をよくしたい」ことを第一に、その他の負担はできる限り除外しながら無理のない形で一歩ずつ進み、不登校の解決へとたどり着いていきました。
本記事の情報を、保護者の方の不必要な負担を減らし、お子さんの状況改善に力を注ぐことにぜひ生かしていってください。
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