【見落としがち】不登校と発達障害の関係を5分でしっかり理解!

「不登校と発達障害の関係をしっかり理解」のタイトルで、もぐら姿の地底人が「見落としがち」とセリフを言っている画像

不登校になった子どもの中で、その背景に発達障害があったというケースがあります。

このようなケースでは、不登校への対応以外に、発達障害への特別な支援も必要になるため、細心の注意が必要です。

そもそも発達障害って何?
不登校と発達障害って関係があるの?
うちの子も発達障害なのかしら?
発達障害で不登校だと何に気を付ける必要があるのかな?

本記事は、たった5分でしっかり理解できるように、上記の疑問にお答えします。

<本記事の内容>

・そもそも発達障害とは?

・発達障害の種類ごとの「特徴」と「不登校要因」

・「うちの子も発達障害なのかも」と感じたら

・発達障害があった場合の不登校対応はどう変わる?

・まとめ

 本記事を読むことで、以下のことができるようになります。

・発達障害とは何かと、発達障害の種類について知ることができる。

・発達障害の種類ごとに不登校につながる要因を理解できる。

・お子さんが発達障害か気になったらどうすればよいか分かる。

・発達障害がある場合の不登校対応について知ることができる。

地底人

もしお子さんの発達に何か心配な点がある場合には、本記事が行動の第一歩を踏み出す大きなきっかけになるはずです。
ぜひご一読くださいませ。

 

目次

そもそも発達障害とは?

「発達障害」の苦しさをイメージして、母親が心配そうに見ている前で、子どもが体育座りで両手で顔を覆っている様子の画像

発達障害とは、生まれつき脳機能の発達に偏りがあるために起こる、社会生活上の様々な不具合を指します。

偏りが現れる部分によっていくつかの種類があり、複数の種類の偏りを併せもつ人もいます。

また偏りの程度も人により様々で、偏りが濃いと社会生活に多くの支障をきたしますが、偏りが薄い場合には特に不具合が目立つことなく社会生活に適応している人もいます。

「発達障害」と診断されるのは、この発達の偏りが濃く、社会生活に困難を抱えている場合ということになります。

次項では、発達障害の種類ごとの特徴と、その特徴が不登校のどのような要因につながっているのかを、一つずつ見ていきたいと思います。

発達障害の種類ごとの「特徴」と「不登校要因」

子どもが参考書を前に机に伏せている様子の画像

自閉スペクトラム症(ASD)

「相手の気持ちを想像することがうまくできない」「自分の気持ちをうまく表現できない」「特定の事柄に強いこだわりをもつ」といった偏りをもつ発達障害です。

ASDの子どもたちは、同級生とスムーズにコミュニケーションをとることができず、孤立したり場合によってはいじめを受けたりしてしまうことがあります。

またこだわりが強く独特の行動をとりやすいため、この点でも周囲とトラブルになったり、自分勝手だと見なされて嫌がられたり叱られたりしてしまいやすいです。

これらのストレスが不登校の要因となります。

注意欠如多動症(ADHD)

「集中し続けることが難しい」「落ち着きを保ちにくい」「我慢が極端にできない」といった偏りをもつ発達障害です。

ひと昔前は、注意欠陥・多動性障害と呼ばれていたものです。

ADHDの子どもたちは、不注意や落ち着きのなさのため周囲からからかわれたり、先生から叱られたりすることが多くなりがちです。

また我慢が苦手なため、思いのままにしゃべったり行動したりして周囲とトラブルになることもよくあります。

これらのストレスが不登校の要因になります。

限界局性学習症(SLD)

全般的な知能には問題がないにもかかわらず、「文章を読むこと」、「文字・文章を書くこと」、「計算すること」など特定の領域だけが上手くできないという偏りをもつ発達障害です。

ひと昔前は、学習障害(LD)と呼ばれていたものです。

SLDの子どもたちは、学習のうまくできない部分で周囲からからかわれたり、先生から何度もやり直しを求められたりして、強い劣等感を感じやすいです。

またどれだけ努力しても成果が出ないことも多いため、学習に対して無気力になっていくケースも多々あります。

これらのストレスが不登校の要因になります。

発達性協調運動障害(DCD)

身体機能には問題がないにもかかわらず、「極端に不器用」「身体の動きがぎこちない」「いくつかの動作を組み合わせた動きが苦手」などの運動能力に偏りをもつ発達障害です。

DCDの子どもたちは、不器用さや動きのぎこちなさのために周囲からからかわれがちで、強い劣等感を感じやすいです。

運動会や体育祭の集団演技では周囲の足を引っ張ってしまい、嫌がられたり、場合によってはいじめられたりすることもあります。

これらのストレスが不登校の要因になります。

ここまで、4つの発達障害について解説してきました。

発達障害によるこれらの偏りは、一人の子どもが一つだけ抱えている場合もありますが、一人の子どもが複数の偏りを抱えているケースもかなりあります。

私が特別支援学級で見てきた子どもたちも、「ADHDとASDを併せもつ子」や「ADHDとSLDを併せもつ子」が非常に多かったです。

「うちの子も発達障害なのかも」と感じたら

女性が疑問を感じている様子の画像

発達障害の特性が本当にあるかどうかを知るためには、医療機関で様々な検査を受ける必要があります。

「小児科」「児童精神科」「小児神経科」「発達外来」と付く医療機関をまず受診しましょう。

医療機関によっては発達障害が専門外という場合もあります。医療機関のホームページを確認して、発達障害への対応を普段から行っているかどうかをあからじめ確認しておくことをおすすめします。

医療機関を受診すると、

・成育歴の聞き取り

・子どもとの面談

・脳波検査

・心理検査

などを行った上で、発達障害の診断がなされます。

検査は多岐にわたるため、診断が出るまで複数回の通院が必要な場合も多く、診断の確定まで2~3ヵ月かかることもあります。

また発達障害への対応経験が豊富な医療機関はかなり先まで予約が埋まっていることもあるため、最初の受診までも数ヵ月かかるケースも多いです。

このように医療機関での確定診断にはかなり時間がかかるものだとご留意ください。

発達障害があった場合の不登校対応はどう変わる?

「不登校対応」をイメージした、手を差し伸べている様子の画像

不登校状態を解消していくステップには違いはありません。

不登校になってしまった子どもたちは、発達障害が背景にあろうとなかろうと、心のエネルギーが切れたり心が傷ついたりしています。

その心のケアを最優先として、徐々に心の状態が回復してきたら、登校復帰に向けて徐々にアプローチをしていく、ということには何の違いもありません。

ただし、登校復帰後の生活を考えた時に、発達障害がある子どもたちの場合には、別の工夫が必要になります。

例えば、自閉スペクトラム症(ASD)がある子どもだと、心がケアされて学校に戻っても、ASDの特性によるコミュニケーションの難しさが変わらずにあれば、また周囲とトラブルが起きてしまいがちです。

注意欠如多動症(ADHD)がある子どもだと、ADHDの特性による不注意や衝動性がそのままなら、また嫌がられたり叱られたりの生活が続きます。

限界局性学習症(SLD)がある子どもたちなら、SLDの特性による学習の苦手さから、また劣等感を抱き続けるだけでしょう。

発達性協調運動障害(DCD)がある子どもたちなら、DCDの特性によるぎこちなさから、やっぱり実技教科が苦痛で苦痛で仕方ないことになります。

そのため、発達障害がある場合の不登校対応は、登校復帰後に、さらには将来の社会生活に向けて、発達障害の特性による生活上の困難をできる限り改善したり克服したりできる形に整えていく必要があるのです。

では具体的にどうしていけばいいのでしょうか。

それは医療機関のかかりつけ医によく相談し、方針を決めていくことです。

方針にも様々なケースがあります。発達障害の種類ごとにいくつか例を挙げてみます。

<自閉スペクトラム症(ASD)の場合>

・療育につながり人との接し方を学ぶ。

・パニックになりやすい心の状態を和らげるために薬を服用する。

<注意欠如多動症(ADHD)の場合>

・不注意や衝動性を和らげるために薬を服用する。

・行動療法を受けて、適切な行動を身に付ける。

<限界局性学習症(SLD)>

・療育につながり特性に合った学習方法を身に付ける。

・文字読み上げアプリなどのICT機器を活用するなど学習環境の調整を行う。

<発達性協調運動障害(DCD)>

・理学療法につながり、基本的な動作の訓練を受ける。

・作業療法につながり、応用的な動作の訓練を受ける。

これらに加えて、すべての発達障害に通じる方針として、

・医師の助言に基づき、学校側に特性への配慮を求める。

・より理解のある環境で安定した学校生活を送りながら、特性による生活上の困難を改善する方法を学ぶために特別支援学級を利用する。

などの選択肢もあります。

まとめ

本記事では、

「発達障害とは何か」

「4つの発達障害の特徴と、不登校になる要因」

「発達障害が疑われる場合の具体的な行動の流れ」

「発達障害を伴う場合の不登校対応」

について、解説してきました。

発達障害がある子どもが不登校になってしまうケースは数多くあります。

また不登校になってしまった後に、実は発達障害だったと判明するケースもかなりあります。

発達障害への対応は専門家による介入が不可欠となりますので、少しでも気がかりな場合には思い切って医療機関への相談を検討してみましょう。

障害だなんて知りたくないな…

そう思うお母さまもいるかもしれません。

しかし「発達障害」と言われるものは、「発達障害がある人」か「発達障害がない人」という風に真っ二つに分かれるものではありません。

人は誰でも様々な偏りをもっています。

偏りが全くない完全に均整がとれた人なんてほとんどいないですよね。

その偏りが、対人関係や学習、日常生活の場面で不具合が起きるほど大きい場合に、その子が抱える「生きづらさ」は本当に苦しいものです。

地底人

私自身が自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如多動症(ADHD)を併せもつタイプなのでよく分かりますが、人生のあらゆる局面でめちゃくちゃしんどいです。

地底人

でも、自分自身の特性を理解できるようになってからは、その特性に応じた楽な生き方を模索できるようになりました。

知識があるかないかでは、発達障害を抱えながら人生を歩む「生きやすさ」に相当な違いが出てきます。

知るということは勇気が要りますが、もし気がかりな点があれば、勇気を出して医療機関を相談することを、元教員としても、発達障害の当事者としても、強くおすすめします。

本記事が、少しでもお母様の手助けになれば幸いです。

本サイトでは、不登校の支援について、お母さまのお役に立てるような記事をアップしてまいります。

よろしければ、他の記事もご覧くださいませ。

それではまたお会いいたしましょう。

お母さま、お心とお体、大切になさりながら、日々の子育てに当たってくださいね。

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