「不登校だと大学に入ってもついていけないんじゃないの?」
「不登校経験があると大学でもやっぱり不登校になりやすいのかな…」
「不登校経験があっても大学を続けるコツはあるんだろうか?」
こんな悩みを抱えていませんか?
あなたの気持ちはとてもよく分かります。なぜなら私の教え子たちも全く同じ悩みを抱き苦しんできたからです。
私は公立中学校の教員時代、不登校支援のスペシャリストとして不登校に苦しむ100人以上の生徒の登校復帰を実現してきました。関わった生徒たちのフォローアップもしており、大学入学への悩みについて相談にも乗ってきた経験があります。
その経験から言えば、過去に不登校だったとしても大学でついていけます。私の教え子たちも大学卒業までこぎつけられています。
しかし困難がないわけではありません。困難に対して適切に対処することが大切なのです。
この記事では、
- 本当に不登校経験があると大学でついていけないのか
- 大学における不登校の現状と対処方法
- 大学でついていけるようになるためのコツや知識
を紹介します。
教え子の成功例も交えて解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
本当に不登校経験があると大学でついていけない?
結論から言えば不登校経験があっても大学でついていけます。その実例もあります。
しかしデータからは大学でも不登校になってしまうケースがあることが示唆されています。
この点を「不登校経験者の大学での継続率」から見ていきましょう。
次に大学でついていけなくなるのはどういう場合かですが、「学習」「生活リズム」「人間関係」に大別されます。それぞれくわしく解説していきます。
この記事を読んでいる方には通信制高校の生徒やその保護者も多いのでは、と想像します。
通信制高校出身者が大学でついていけるのかについても深掘りしてみました。
不登校経験者の大学の継続率
高校時代までに不登校を経験した人のうち、大学生活を卒業まで継続できるのはどれくらいの割合でしょうか。
具体的な統計データはありませんでしたが、継続できる人たちが確実にいる一方で、残念ながら一定数が大学でも不登校になっていると推測できます。
文科省の報告によると、大学で不登校になる学生の割合は全体の1~2%と推計されています。
※文科省「大学における学生生活の充実方策について (報告)」より
それに対して、小学校から高校までの不登校の割合は以下の通りです。
- 小学生の不登校割合:1.7%
- 中学生の不登校割合:6.0%
- 高校生の不登校割合:2.0%
※文部科学省「不登校に関する実態調査」より
大学生の不登校の割合は、小学生や高校生と同じくらいですね。
しかし同じと考えてはいけません。
文部科学省の同調査によると、高校時代までに不登校を経験した人が、大学や短大に進学する割合は22.8%となっています。
不登校を経験した人の進路は、大学や短大よりも、就職や専門学校の方がはるかに多いのです。
不登校になりがちな人は大学や短大をあまり選ばないということです。
ということは不登校になりがちな人も必ずいる小学校、中学校、高校に比べて、不登校になりがちな人が減っているはずの大学で、不登校の割合が1~2%なのです。
これは大学に入って初めて不登校になる学生が一定数いる一方で、やはり高校時代までに不登校だった学生も一定数不登校になっていることを示唆しています。
このような話をすると不登校を経験していると「大学でもまた不登校になってしまうかも」と不安に思うかもしれません。
しかし実際には、大学で充実した学生生活を継続できているケースも多いということを知っておいてください。
私がフォローアップしている教え子たちの中で大学進学を選択した人も5人以上知っていますが、全員が卒業までこぎつけています。
ただし卒業にたどり着くまでに困難がなかったわけではありません。
大学生活をどのように乗り切るかについては、あとで述べる「【成功例】不登校でも大学でついていけないと思わないで!」の項目で詳しく解説します。
いずれにせよデータだけを見て不安になりすぎる必要はありませんので、明るい気持ちで読み進めてください。
大学でついていけない理由①学習
不登校経験のために大学でついていけなくなってしまう理由の第一は学習です。
高校までに不登校を経験している場合、基礎学力や学習習慣が身についていないこともあるでしょう。大学の授業は高校までの学習内容を前提としているため、ついていくことが難しくなることがあり得ます。
また大学の授業は高校と比べて時間が長く、ペースも速いです。高校時代に短時間の授業や丁寧な個別指導を受けてきた人にとってはどうしても負担がかかりやすくなるのです。
しかし心配し過ぎる必要はありません。
大学や学部によって学習の難易度には大きな違いがあるからです。
これから大学を目指す場合には、オープンキャンパスなどを活用して志望したい大学・学部の講義を体験してみるのも手です。
すでに大学に入学して学習面で苦労している場合にも、他学部の講義に触れてみるなどして編入を目指すという方法もあります。
「あの頃、不登校だったからもう手遅れなんだ」
などと決して思わないでくださいね。
大学でついていけない理由②生活リズム
生活リズムも大きな理由の一つです。
不登校期間中に生活リズムが乱れていた場合、大学のスケジュールに順応しにくいことがあり得ます。
昼夜逆転の生活が当たり前になっていると、大学の午前中の講義にどうしても足が向かず単位を落としてしまうことも。さらには講義に行きたくても「行けなかった」という失敗経験が積み重なり、次第に自暴自棄になっていくケースもあるのです。
また生活リズムが乱れていると、それに伴い自己管理の力も十分に伸びていないケースもあります。
大学生活は高校までと違って自由度が高く、学生自身が講義やその他の活動を自主的に選択し、行動に移すことが必要です。自己管理の力が備わっていないと、何を選択すればいいか分からなかったり、選択できたとしてもその通りに行動できなかったりしてしまいます。
学習面の問題よりも生活リズムの方が改善しにくいケースが多いです。
自分自身で長い時間をかけて身に付けてしまったものなので、自分の意志で変えていくことが難しいからです。
とはいえ現在、生活リズムが崩れていたとしても「ムリだ」と思うことはありません。
大学生活は自由度が高いゆえに自己管理の力が必要ですが、一方で「自己管理に失敗する」のも自由です。高校時代までのように欠席したら担任の先生がひっきりなしに電話をかけてきて追い詰められるといった心配はありません。
自分のペースで少しずつ生活リズムを変えていく自由もあるのです。
また相談相手をつくることでさらに生活リズムは整いやすくなりますが、この点については後半でくわしく述べていきます。
大学でついていけない理由③人間関係
3つ目の理由は人間関係です。
不登校期間中に人との交流が限られていた場合に、大学での新しい人間関係づくりに困難を感じることがあり得ます。
また大学はグループワークやサークル活動など集団で活動することが多いので、集団活動に苦手意識があると次第につらくなっていきがちです。
様々な活動の中で人間関係を築けないでいると、自尊感情も下がっていきやすいですし、休み時間や昼休みに強い孤立感を感じることが増えて大学に行けなくなっていく人もいます。
不登校の経験がある人はどうしても人間関係に不安や恐怖を感じることが多いですよね。
私も人間関係が苦手な方なのでよく分かります。
安心してください。
人間関係を築く力は社会に出たあとにも必ず必要になるので少しずつ身に付けていく必要はありますが、周囲と同じレベルのコミュニケーション能力がなくても気に病む必要はありません。
授業のグループワークなど必要最低限のコミュニケーションは、ドキドキしながらでいいので乗り切るとして、他は嫌だったり不安だったりするなら参加しなくてもいいのです。
そこを無理して周囲に合わせようとして自分を苦しめていってしまう人が非常に多いからです。
自分が楽しめる、落ち着ける人間関係が必ずあります。
この点についても後半でくわしく解説していきます。
通信制高校出身は大学でついていけない?
ここまで不登校経験のために大学でついていけなくなる場合の3つの理由について解説してきました。
3つの理由を読むと、通信制高校に通っている人は「すべて自分に当てはまっている!大学はとてもムリだ!」と思ったかもしれません。
しかし大丈夫です。通信制高校出身だとしても大学でついていくことはできます。
確かに学習、生活リズム、人間関係の問題はどれも通信制高校に在籍している生徒たちに関係が深いのは間違いありません。
通信制では学習を自分のペースで進めます。そのため長時間、ハイペースの講義を受けるという経験がどうしても乏しくなってしまいます。
生活リズムも自由です。教材に取り組む時間は朝でも夕方でも深夜でも好きに選べます。そのため生活リズムがどうしても崩れやすくなってしまいます。
一人で黙々と取り組む通信制は誰かと人間関係を築く機会があまりありません。同年代の人たちと上手に関わる経験を積みにくいのです。
それでも通信制高校出身の私の教え子たちを例に出すと、全員が大学でついていくことができていました。
教え子に聞いた話を整理すると、大学でついていくことができた要因は以下の4つだと考えられます。
- 専門学校や就職を目指す割合が多い通信制高校の生徒の中で、大学を目指し合格できた生徒はそもそも学習能力に問題がないケースが多いから。
- 大学受験に取り組むときにはある程度生活リズムを整えないと、受験勉強や入試本番を乗り切ることができない。この段階で生活リズムを改善して大学に入学できるから。
- 通信制だけではなくサポート校を利用しており、サポート校の様々な活動で同年代や教員との交流を多くもつことができていたから。
- 私を含め「相談できる誰か」がいたことで、大学に入ってからも困ったら周囲に相談し解決していくという循環ができあがっていたから。
サポート校を利用していなかったり、相談相手がいなかったりする場合もあるかもしれません。
それでも「大学に合格する」という段階で、学習面や生活リズムである程度飛躍できているケースは多いはずです。
また学習面と生活リズムが問題なければ、大学入学後に人間関係の課題をどう解決するかに注力することもできますよね。
ですから通信制高校出身だからといって大学でついていけないと不安に思う必要はありません。
これから大学を目指す人は安心して勉強に打ち込んでくださいね。
大学でついていけないと不登校になる?【対処法も紹介】
不登校経験があっても大学生活を続けられている人がいる一方で、残念ながら大学で不登校になってしまう人も一定数います。
大学生の不登校の現状について文献をもとに見ていきましょう。
万が一、大学で不登校になってしまった場合も対処方法は必ずあります。文科省の報告を参考に、効果的な対処方法について8つ解説していきます。
大学での不登校率は?大学生の不登校の現状
先ほども述べた通り、文科省の報告によると不登校になる学生の割合は全体の1~2%と推計されています。
それでは実際に不登校に至った大学生はどのような状態になることが多いのでしょうか。
ここでは「大学の不登校に関する研究の動向」という文献をもとに大学生の不登校のタイプを4つ紹介します。※文献は「file:///C:/Users/itonl/Downloads/07horii.pdf」よりダウンロード可能
- 1. 対人恐怖
-
大学での人間関係がうまくいかず、次第に人との関わりや人の視線に対して恐怖を感じるようになり、不登校に至るケースです。
- 2. 疲弊型
-
大学でうまくやっていこうと頑張りすぎてしまい疲れ切って不登校になるケースを言います。
- 3. 逃避型
-
大学での人間関係や学習の中でミスを重ねてしまい、投げやりな行動や抑うつ的な気分が増えていき不登校になるケースです。
- 4. 無気力型
-
逃避型と同じくミスを重ねる中で次第に無感情な状態に移行し、大学へ行く気力をなくしてしまうケースを指します。
4つのタイプは、高校時代までに不登校を経験した人なら自分自身の身をもって知っているケースもあるかもしれませんね。
不登校の現れ方はこのように様々ですが、すべてに共通して言えることは「大学でのうまくいかなさ」が積み重なった結果であることです。
では万が一、大学で不登校になってしまった場合にどのようにすればよいのでしょうか。
もし大学で不登校になってしまった場合の対処方法8選
- 1.信頼できる人に相談する
-
家族、友人、先生など、信頼できる相手に状況を話してみましょう。一人で抱え込まず、周りの支援を得ることが重要です。
- 2.大学の学生相談室を利用する
-
多くの大学には学生相談室があり、専門のカウンセラーに相談できます。学業や生活面での悩みに対するアドバイスを受けられます。
- 3.休学を検討する
-
無理に通学を続けるのではなく、休学制度を利用して心身を休めることも選択肢の一つです。この期間を使って自分と向き合い、リフレッシュすることができます。
- 4.学外活動を始める
-
趣味のサークルやボランティア活動など、大学以外の活動に参加することで新しい刺激を得られる可能性があります。
- 5.段階的な復帰を目指す
-
一気に全ての授業に出席するのではなく、少しずつ授業数を増やしていくなど、段階的なアプローチを取ることも効果的です。
- 6.健康的な生活習慣を心がける
-
十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動など、基本的な生活習慣を整えることが重要です。
- 7.専門家のサポートを受ける
-
必要に応じて、心療内科や精神科などの専門医の診察を受けることも検討しましょう。
- 8.将来の選択肢を探る
-
現在の大学に戻る以外にも、転学や就職など、様々な選択肢があることを認識し、自分に合った道を探ることも大切です。
この8つをすべてやろうとするのではなく、まずできるところから始めてみましょう。
相談相手がいないときに頼りになるのが大学の学生相談室です。
文科省の報告によると、不登校になった学生のうち、学生相談機関に相談に来た学生は卒業にこぎつける割合が高いという結果が出ています。
※文科省「大学における学生生活の充実方策について (報告)」
【成功例】不登校でも大学でついていけないと思わないで!
繰り返し言いますが、不登校経験があっても大学でついていけます。
ここでは大学卒業まで無事にこぎつけることができた私の教え子の成功事例を3つ紹介します。
これから大学を目指す人、現在大学で苦しんでいる人にも同じように成功してもらいたいと心から願っています。
その成功のために必要なエキスを以下4つに分けて解説していきます。
- 自己肯定感を高める
- 将来に向けて自信を深める
- 大学内の支援制度を知っておく
- 同じ悩みを抱える仲間とつながりをもつ
大学生活を乗り越えた元不登校の成功事例3選
私の教え子の中から3人の成功事例を紹介します。
- M.Sさんの事例
M.Sさんは中学時代と高校時代にそれぞれ不登校を経験しましたが、通信制高校に編入しサポート校を利用しながら大学に合格。人間関係がかなり苦手で大学でも当初なじむことができず精神的にまいってしまうこともありましたが、その都度、数人の信頼できる大人に相談しながら徐々に調子を戻していきました。
3年生あたりからだいぶ大学にも慣れ友人関係を結ぶこともできるようになると、そこからはぐんぐんと明るくなり無事に大学卒業、大学院へと進学することができました。
2. I.Rさんの事例
I.Rさんは中学時代に不登校を経験。私立高校に進学後、学習面で苦しくなり再度不登校になります。フリースクールを利用しながら仲間と楽しむ経験を積み重ね、通信教育で少しずつ勉強も進めて高卒認定を取得して大学に合格。自分の学力より少し控えめなレベルの大学を選んだことで学習に自信がもてるようになっていきました。大学での人間関係には苦しみましたが、アルバイトを始めると仕事ぶりを店長に認められてメキメキと明るくなりました。
大学卒業後はなんとアルバイト先で正社員に登用され活躍しています。
3. H.Tさんの事例
H.Tさんは小学校~中学校まで9年間ほぼ完全不登校。かろうじて別室登校で週1時間通学する生活でした。高校は通信制高校に入学しサポート校を利用。しかしサポート校へはなかなか通うことができず昼夜逆転の生活が続きました。家庭教師も活用しながら通信制高校を何とか卒業、大学に入学。生活リズムが思うように戻せず一時休学しましたが、学生相談室でカウンセリングや進路相談を定期的に受けて復学。時間はかかりましたが無事に卒業しIT関係の正社員として働いています。
3つの事例とも、高校時代までも大学入学後も数々の困難はありましたが、誰かに相談したり、何かの活動で自信を深めたりすることで大学生活を乗り越えていった様子がうかがえたのではないかと思います。
これは特殊な事例ではありません。
あなた自身が実現可能な将来の姿だと考えてください。
そして以下、大学でついていけるようになるための方法を少しずつ試していってください。
自己肯定感を高め大学生活を楽しむための6つのコツ
過去に不登校を経験している人は自己肯定感が低い傾向があります。自分を肯定的に捉えられないことは、大学での学習や人間関係にも大きな影響を与えます。
自己肯定感を高めるコツについて以下の6つを参考にしてみてください。
- 1.段階的に参加する
-
大学生活に一気に飛び込むのではなく、少しずつ慣れていくアプローチを取りましょう。最初は少ない授業数から始め、徐々に増やしていくなど、自分のペースで適応していくことが大切です。
- 2.小さな目標を設定する
-
大きな目標は時に圧倒されがちです。まずは「今日は1つの授業に出席する」「図書館で30分勉強する」など、達成可能な小さな目標を設定し、それを達成することで自信をつけていきましょう。
- 3.コミュニティに参加する
-
サークルや学生プロジェクト団体など、興味のあるコミュニティに少しずつ参加してみましょう。共通の趣味や興味を持つ仲間と出会うことで、人間関係を築きやすくなります。
- 4.時間管理スキルを身につける
-
スマートフォンのアプリやクラウドサービスを利用して、効率的に時間を管理しましょう。予定のリマインド機能を活用することで、課題の提出忘れなどを防ぐことができます。
- 5.健康管理を意識する
-
十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動など、基本的な生活習慣を整えることが重要です。心身の健康は自己肯定感の向上につながります。
- 6.無理をしない
-
予定を詰め込みすぎず、余裕を持ったスケジュールを心がけましょう。自分のペースを尊重し、無理のない範囲で活動することが大切です。
これらのコツを参考に一歩ずつ前進することで、自己肯定感が高まり、充実した大学生活を送ることができるはずです。
将来に向けて自信を深めるための6つのコツ
大学は社会人になる手前の重要な時期です。自己肯定感を高め楽しく大学生活を送れるようになったとしても、将来への見通しが欠けていると卒業が近づくにつれて再び不安定な状態になることがあります。
そうならないためにも将来に向けて徐々に自信を深めていけるように以下の6つのコツを参考にしてみてください。
- 1.興味のある分野に積極的に取り組む
-
自分の興味や好奇心を大切にし、関心のある講義やイベントに積極的に参加しましょう。自分の興味を追求することで、将来の方向性が見えてくる可能性があります。
- 2.自己投資の時間を作る
-
読書や新しいスキルの習得など、自分自身に投資する時間を設けましょう。知識や能力が広がることで、自信につながります。
- 3.インターンシップや学外活動に参加する
-
インターンシップやボランティア活動など、大学外での経験を積むことで、社会性を養い、将来のキャリアに対する具体的なイメージを持つことができます。
- 4.資格取得にチャレンジする
-
興味のある分野の資格取得に挑戦することで、専門知識が身につき、将来のキャリアに対する自信が深まります。
- 5.留学や異文化体験を検討する
-
可能であれば、留学やボランティア活動など、異文化体験の機会を持つことで、視野が広がり、自己成長につながります。
- 6.自己分析を行う
-
自分の強みや弱み、価値観を分析することで、自己理解が深まり、将来の方向性が見えてくる可能性があります。
これらのコツを実践することで、過去の不登校経験に囚われることなく、前向きに大学生活を送り、将来に向けて自信を深めていくことができるでしょう。大切なのは、自分のペースを尊重しながら、少しずつ挑戦を重ねていくことです。
上手に活用したい大学内の支援制度8選
大学には数多くの支援制度があります。しかしどんな支援制度があるかを知っていなければいざというときに利用することができません。
大学で活用できる代表的な支援制度を8つ紹介します。
- 1.学生相談室・カウンセリングセンター
-
多くの大学では、専門のカウンセラーが常駐する学生相談室やカウンセリングセンターを設置しています。ここでは、学業や人間関係の悩み、メンタルヘルスの問題など、様々な相談に対応しています。
- 2.特別修学支援制度
-
一部の大学では、不登校経験者や精神的な問題を抱える学生向けに、授業の出席回数や課題提出の緩和、別室での試験実施などの特別な配慮を行う制度があります。
- 3.段階的な復学プログラム
-
徐々に大学生活に慣れていけるよう、少ない授業数から始めて徐々に増やしていくなど、段階的な復学をサポートするプログラムを提供している大学もあります。
- 4.チューター制度・メンター制度
-
教員や上級生が個別にサポートするチューター制度やメンター制度を設けている大学もあります。学習面だけでなく、大学生活全般のアドバイスを受けられます。
- 5.保健管理センター
-
心身の健康管理をサポートする保健管理センターでは、医師や看護師による健康相談も受けられます。
- 6.学習支援センター
-
レポートの書き方や学習方法のアドバイスなど、学習面でのサポートを行う学習支援センターを設置している大学もあります。
- 7.休学・復学制度の柔軟な運用
-
休学期間の延長や、復学時期の柔軟な設定など、学生の状況に応じて制度を柔軟に運用している大学もあります。
- 8.ピアサポート制度
-
同じような経験をした学生同士が支え合うピアサポート制度を設けている大学もあります。
これらの支援制度は大学によって異なるため、具体的な内容や利用方法については、所属する大学の学生支援課や教務課に確認することをおすすめします。また、入学前に不安がある場合は、入学予定の大学に事前に相談することも可能です。
同じ悩みを抱える仲間との交流場所5選
相談相手をもつことと同じくらい大切なことは「分かり合える仲間」の存在です。
不登校のつらさを共有できる代表的な交流場所について以下に5つ挙げますので参考にしてみてください。
- 1.大学の学生相談室やカウンセリングセンター
-
学生相談室やカウンセリングセンターではカウンセラーに相談できるだけでなく、同じような経験をした学生同士がつながる機会を提供していることもあります。
- 2.NPO法人などの支援団体
-
不登校やひきこもりの若者を支援するNPO法人が運営する居場所やプログラムがあります。地域ごとに様々なNPO法人が活動を展開しています。くわしく知りたい場合は「大学 不登校 NPO法人 東京都」など地域を指定して検索してみてください。
- 3.オンラインコミュニティ
-
SNSやオンライン掲示板などで、同じ経験をした学生同士がつながるコミュニティが存在します。ただしオンラインの特性上、劣悪なコミュニティも一定数あるため、情報をよく見極めて利用するほうがよいでしょう。
- 4.大学のサークルや学生団体
-
中には、不登校経験者や悩みを抱える学生のための交流の場を設けているサークルや学生団体もあります。大学構内の掲示物などで確認してみましょう。
- 5.自助グループ
-
大学の不登校経験者による自助グループが存在する場合があります。地域の保健センターや精神保健福祉センターなどで情報を得られることがあります。
大学で不適応を起こし心身の状態がかなり悪化してしまうと人とつながること自体に拒否的になることが多いです。
分かち合える仲間とのつながりを早めに築いておくことをおすすめします。
不登校経験があると大学でついていけない?徹底解説:まとめ
不登校経験者が大学生活に不安を抱えるのは当然です。しかし、データや成功例からもわかるように、大学で充実した学生生活を送ることは十分可能です。
不登校経験者がつまずきがちなポイントは「学習」「生活リズム」「人間関係」の3つですが、無理せず自分のペースで適応していくことが大切です。
相談機関や支援制度を活用し、信頼できる相手に頼ることも大きな助けとなります。成功例にあるように、困難を乗り越え卒業まで継続できた先輩たちも多くいますので、焦らず一歩ずつ進んでいきましょう。
コメント