【不登校支援の強い味方】フリースクールについて

タイトルの端で、もぐら姿の地底人が「お子さんに合うタイプが見つかる!」とセリフを言っている画像

フリースクールの利用を考えているけど、実際どういう施設かよく知らないのよね…
教育の方針や費用、フリースクールを利用するメリットとデメリットが知りたいな。
フリースクールをどう探せばいいのかも教えて欲しい。

地底人

不登校の状態が長くなってくると、フリースクールの利用を検討しますよね。
お任せください!
本記事で上記の要望にすべてお答えします。

<本記事の内容>

・そもそもフリースクールとは?

・フリースクールのメリット・デメリット

・フリースクールのタイプ

・フリースクールの探し方

・まとめ

 本記事を読むことで、以下のことができるようになります。

・フリースクールの概要、費用、メリット・デメリットを知ることができる。

・お子さんに合うフリースクールのタイプを理解できる。

・フリースクールの探し方が分かるようになる。

本記事で得た知識を生かして、フリースクールを上手に活用しながら子育てに当たっていってくださいね。 

目次

そもそもフリースクールとは?

母親が疑問そうな表情を浮かべている画像

フリースクールは、学校の代わりに通える教育機関で、主に不登校の子どもや障害がある子どもなどを受け入れて学習や体験の機会を提供している民間の施設です。

基本的に小中学生を受け入れています。中には高校生や20代も受け入れている施設もありますが、それほど多くはありません。

学年ごとに生活を送る学校とは違い、年齢の違う子どもたちが一緒に活動するスタイルがとられています。

フリースクールの運営はNPO法人やボランティア団体が行っているため、教育の方針やルールは多種多様です。

地底人

多種多様ではありますが、いくつかのタイプに分類できるので、
あとで詳しく解説していきます。

入所に関しては、特別な入所条件や資格がない場合がほとんどです。

ただし施設によって「小学生のみ」「通学できる方のみ」など個別に条件が設定されているところもあります。

費用に関しては、施設によって異なりますが、平均額は以下の通りです。

 入会金の平均額:約5万3千円

 授業料の平均額(月額):約3万3千円

  ※平成27年の文部科学省調査より

とはいえ施設により費用はかなりばらつきがあり、かなり高額なところもありますので、個別に確認が必要です。

ちなみにフリースクールは、学校の出席になるのかしら?

地底人

現在は「出席扱い制度」という制度があり、一定の要件を満たせばフリースクールであっても、出席扱いにすることができます

※「出席扱い制度」については以下の記事で詳しく解説しています。

なおフリースクールのホームページに、出席扱いにできる旨を掲載している施設もあります。

フリースクールのメリット・デメリット

「メリット・デメリット」をイメージして、砂浜に天秤が置いてある画像

フリースクールの概要を知っていただいたところで、まずフリースクールを利用すると、どんなメリットがあるのか、またデメリットは何なのかについて説明します。

メリット・デメリットをしっかり理解してもらった上で、利用の有無を検討してみてください。

フリースクールのメリット

メリットは4つあります。

第一に、家以外に居場所ができることです。

第二に、同じ境遇の仲間に出会えることです。

第三に、学校以外で学習や体験活動ができることです。

第四に、親が安心できることです。

安心できる環境の中で、分かち合える仲間と関わり、自分ができる形で学習をしたり、様々な体験活動を経験できたりすることで、不登校の子どもの心は徐々に回復し自信を取り戻していくことができます。

それを見聞きする親も、ずっと家にいたときよりも安心した気持ちを抱くことができ、それが子どもへの関わりにもいい影響を与えます

フリースクールのデメリット

デメリットは4つあります。

第一に、費用がかかることです。

先に述べた通り、入会金に平均5万円前後、授業料に月平均3万円前後かかります。

あくまで平均なので、もっと高額なところもあります。

そのため、家庭の経済事情によっては利用が難しいかもしれません。

第二に、学校に比べて学習レベルが低い可能性があることです。

不登校の子ども向けに学習サポートを行っている関係上、学校の学習に比べて進度がゆっくりなため、学校復帰をした後、もしくは進学した後に、周囲との学習レベルにギャップがある可能性があります。

この点は、フリースクールの方針によっても違いがあります。

学習面で物足りなさがある場合は、家庭学習や塾、家庭教師など別の教育機関で補う必要があります。

第三に、フリースクールを退所後に、これまで培ってきた自分の認識と、社会の認識の間にずれを感じる可能性があることです。

フリースクールは施設ごとに独自の理念をもっています。その理念が一般社会からすると理想的すぎることがあります。

通常の学校に在籍している子どもたちは厳しい人間関係や競争の中を生き抜いてきているため、フリースクールに長く在籍した状態から通常の学校や社会に出ていくと、考え方にずれを感じることがあり得ます。

フリースクールと一般社会の考え方に違いがある場合は、家庭でうまく仲介していく必要があります。

第四に、高校生の場合、フリースクールに通っていても高校卒業資格は満たせないことです。

フリースクールは学校ではないので卒業資格はとれません。

小中学生であれば出席日数が足りなくても小学校や中学校は卒業はできますが、高校生は高校を卒業するために卒業要件を満たす必要があります。

そのため、フリースクールのみを利用している場合は高校卒業資格は取得できないのです。

高校への復帰が難しい場合は、高等学校卒業程度認定試験を受けるか、通信制高校などに転校して高卒資格をとる必要があります。

フリースクールのタイプ

「フリースクール」をイメージして、校舎の画像

フリースクールの教育方針や活動内容は非常に多種多様です。

ここではお母さまがお子さんに合ったフリースクールを選んでいけるように、3つの観点で分類していきます。

1. 教育方針の観点

教育方針の観点で見ると、主に2つに分けられます。

①子どもの意思を重視するタイプ

服装や持ち物、活動内容などを子ども自身が決められるなど、子どもの意思を最大限に尊重するタイプです。

子どもの意思を尊重することで、安心できる居場所となり、その中で活動することで意欲や自信を取り戻すことを目的としています。

②大人からの働きかけを重視するタイプ

大人の側が定めた方針やルールがあり、子どもの状態によって柔軟に対応しつつも、大人からの働きかけを行いながら、子どもの成長を目指していくタイプです。

決められた時間で過ごすことで生活リズムや学習習慣を身に付けさせたり、登校復帰や社会参加を目指してスキルを向上させたりすることを目的としています。

回復段階で言うところの【安定期】までのお子さんは、心を修復し自信を取り戻していく必要があるので、①の施設が合っています

一方で、回復段階の【回復期】に入っているお子さんの場合は、周囲からの働きかけにより行動の幅を広げていく必要があるので、②の施設が合っています

※回復段階については「【いつ何をすべきか丸わかり】不登校の回復段階をスッキリ整理!」の記事で解説しています。

またお子さんの気質で見てみると、【真面目なタイプ】は、①の施設でも②の施設でも伸びていけそうですが、【だらしないタイプ】の場合、①の施設に居続けた場合、その自由度に味をしめて、将来の社会参加に必要な自律心やスキルが身につかないままになってしまうリスクもありそうです。

※気質については「【不登校の根本原因】気質の種類について」の記事で解説しています。

地底人

お母さまのお子さんは、どちらの施設が向いていそうですか?

何となくで構いませんので、①か②の施設を選んだ上で、第2の観点の話を聞いてください。

2.活動場所の観点 

フリースクールの活動を行う場所の観点で見ると、主に4つに分けられます。

①通所するタイプ

フリースクールの施設に通って活動するタイプです。

②寮で共同生活を行うタイプ

フリースクールが寮生活を行うスタイルになっていて、寮の中で集団生活を行うタイプです。

③自宅に訪問してくれるタイプ

フリースクールのスタッフが自宅を訪問し、個々の状況や希望に合わせて支援していくタイプです。

訪問を通して子どもとつながりを深め、フリースクールへの通所を目指したり、難しい場合には自宅での生活習慣の改善や学習意欲の向上を目指したりしていきます。

④オンラインで活動するタイプ

フリースクールには通わず、オンライン上で学習やコミュニケーション、遊びの体験をしていくタイプです。

①~④のどれがお子さんに適しているかは、お子さんの状態によります。

フリースクールの施設に行くことに抵抗がないお子さんなら、①通所するタイプか、②寮で共同生活を行うタイプが適しています。

①と②、どちらを選ぶかは家庭やお子さんの希望に合わせてとなりますが、家庭の中でお子さんの生活リズムが著しく乱れており、家庭内での改善が難しい場合は、②寮で共同生活を行うタイプがマッチするケースも多いです。

ただし寮生活はこれまでの家での生活とはがらりと変わるため、お子さんの同意をしっかりと得ておく必要があります。

外出に拒否感や恐怖感があるお子さんなら、③自宅に訪問してくれるタイプか、④オンラインで活動するタイプが適しています。

ゆくゆくはフリースクールへの通所を目指したい場合や、自宅を訪問されることに強い拒否感がないお子さんの場合には、③が向いているでしょう。

一方で、自宅を訪問されることに強い拒否感があるお子さんの場合や、まだ長期的に外へ出ることが難しい状態にあるお子さんの場合、またお子さんがオンラインに強い興味を示し意欲を伸ばしていけそうな場合などには④が向いていると言えます。

地底人

お母さまのお子さんは、活動場所の観点の①~④、
どれが向いてそうですか?

1つ選んでみてください。

ここまで、フリースクールを選ぶ観点として、【教育方針の観点】で2つのタイプから1つを選んでもらい、次に【活動場所の観点】で4つのタイプから1つ選んでもらったと思います。

その上で、最後の観点を読んでください。

3.個別ニーズの観点

家庭やお子さんごとに、それぞれ個別のニーズがあると思います。

フリースクールによって、様々なニーズに対応したサポートがあります。

そのサポートの主な種類について、7つ紹介します。

7つもあるのですべて覚える必要はありません。

お子さんに当てはまるものだけピックアップしてもらえたらと思います。

①登校復帰のサポート

本来通うはずの学校への登校復帰を目指すサポートです。

心の回復を図りつつ、徐々に生活リズムや学習習慣を改善し、登校復帰に必要な力を身に付けさせていきます。

②体験活動のサポート

レジャーや課外活動、職業体験など、様々な活動を取り入れているサポートです。

楽しみながら経験の幅を広げさせていきます。

③学習サポート

子どもの習熟度や希望に応じて学習支援を行うサポートです。

学習に遅れがある場合にその部分に戻って教えたり、苦手な科目がある場合に重点的に教えたり、学習の悩みに関する様々なニーズに応えています。

④完全個別指導のサポート

1対1の個別指導を行うサポートです。

集団での学習に拒否感や苦手さがある子どもへの学習機会を提供しています。

⑤独自の教育方針によるサポート

フリースクール独自の理念に基づく、資格取得や専門的な知識・技能の習得のサポートです。

将来に役立つ資格や知識・技能を身に付けることができます。

⑥専門家によるサポート

発達障害など何かしらの障害がある子どもを対象として、専門家による支援を行うサポートです。

それぞれの特性や状況に合わせて適切な支援を提供しています。

⑦医療機関と連携したサポート

医療機関と連携し、医療的なケアを必要としている子どもに対応するサポートです。

不登校による精神疾患や、その他の病気による症状に対応できる体制がとられています。

以上、【個別ニーズの観点】について7種類のサポートを解説しました。

この7種類のサポートは、1つのフリースクールに1つしかないということはなく、1つのフリースクールでいくつかのサポートに対応しているところもあります。

地底人

お母さまのお子さんには何か個別のニーズはありますか?
もしある場合、この7種類の中で必要なサポートはありましたか?

ここまでフリースクールを選ぶ観点として、【教育方針の観点】【活動場所の観点】そして【個別ニーズの観点】を見てきました。

それぞれの観点で、お子さんに必要なタイプやサポートを選ぶことはできましたでしょうか?

うちの子は、まだ回復が最優先だから、【子どもの意思を尊重するタイプ】がいいかな。

あと、一応外出はできるから、【通所するタイプ】でいいかも。

それから、発達障害もあるから、【専門家によるサポート】があるといいな。

このように一つ一つの観点から選んで、お子さんに合ったフリースクールのイメージをもっておくと、たくさんあるフリースクールの中から希望に合ったところを選びやすいはずです。

色々聞いてフリースクールを利用しようと思ったけど、
どう探せばいいのかしら?

地底人

そうですよね。
いいなと思っても、探す方法が分からないと申し込めないですよね。

本記事の最後に、フリースクールの探し方を解説します

フリースクールの探し方

「探し方」をイメージして、男性が虫眼鏡をかざして何かを探している画像

探し方はいくつかありますが、一番簡単なのはインターネットで検索する方法です。

NPO法人フリースクール全国ネットワークを使う

①「NPO法人フリースクール全国ネットワーク」のホームページを開き、「加盟団体一覧」から、住んでいる地域を選び、近くのフリースクールのホームページを開く

 ※水色の文字からジャンプできます。

②選んだフリースクールのホームページに掲載されている「理念」や「過ごし方」を見て、どのタイプのフリースクールかを確認する

③よく分からない場合は電話やメールで問い合わせをする

④目当てのタイプのフリースクールなら費用などを確認したり、施設見学をしたりして入所を検討する

⑤目当てのタイプではなかった場合は、次に近いフリースクールのホームページを開き、調べを進める

この方法が一番探しやすいかと思います。

他に2つのサイトがあるので以下に紹介します。

フリースクールガイドweb

フリースクールガイドweb」のホームページから、お住いの地域のページに進み、地域ごとの一覧を閲覧することができます。

 ※水色の文字からジャンプできます。

ただし、フリースクール以外の記事もたくさん貼ってあるため少し探しにくいかもしれません。

不登校サポートナビ

不登校サポートナビ」のホームページから、「気になる学び方から探す」の「フリースクール」をクリックすると全国のフリースクールを閲覧することができます。

 ※水色の文字からジャンプできます。

ただし、全国の一覧で各地域に絞り込みができないため、こちらも少し探しにくいかもしれません。

「NPO法人フリースクール全国ネットワーク」が一番探しやすいですが、「フリースクールガイドweb」と「フリースクールガイドweb」の方にだけ掲載されているフリースクールもあります。

「NPO法人フリースクール全国ネットワーク」で探して、いいところが見つからなかった場合に、この2つのサイトで探してみる、という形がいいと思います。

まとめ

本記事ではフリースクールについて、

・概要

・メリットとデメリット

・フリースクールのタイプ

・フリースクールの探し方

を解説してきました。

メリットとデメリットをよく理解し、お子さんにどのようなタイプのフリースクールが合うかをよく考えた上で利用すれば、フリースクールはお子さんの成長にとって大きな武器になり得ます。

本記事がお母さまのフリースクールのより良い活用の参考になれば幸いです。

本サイトでは、不登校の支援について、お母さまのお役に立てるような記事をアップしてまいります。

よろしければ、他の記事もご覧くださいませ。

それではまたお会いいたしましょう。

地底人

お母さま、たまには子育てを忘れて、お母さま自身が
たっぷりリフレッシュする機会も作ってくださいね!

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