不登校=ずるいはプラスの気持ちに変えられる【元教員が理由を解説】

「不登校はずるい」はプラスの気持ちに変えられる!【元教員が解説】

不登校について、「ずるい」と感じる、あるいは「ずるい」と言われて傷ついている――そんな経験をお持ちではありませんか。

不登校の子どもと関わる中で、この「ずるい」という感情や言葉が心に影響を与えることを、私は10年以上の教員生活で何度も目の当たりにしてきました。

私は不登校のスペシャリストとして、不登校に苦しむ100人以上の子どもたちを支援し、登校復帰や進路決定をサポートしてきた公立中学校の元教員です。

そうした現場での経験を基に、この問題に悩む方々に少しでも役立つ情報をお伝えします。

この記事では、「不登校を『ずるい』と感じる子の立場で考える」と同時に、「不登校を『ずるい』と言われる子の立場で考える」ことを通じて、双方の気持ちを深く掘り下げていきます不登校は本当にずるいのか、不登校がずるいと感じられてしまう理由、不登校をずるいと思う人の心の内にあるものなど、さまざまな視点からこの問題を紐解きます。

さらに、不登校はずるいと感じていた子や、不登校はずるいと言われた子の実際のエピソードを紹介し、それぞれがどのように問題を乗り越えていったのかをお伝えします。

また、不登校をずるいと感じる子に知ってもらいたいことや、不登校をずるいと言われた場合の対応方法、別室登校や昼間の外出が「ずるい」と思われた場合の対処法についても解説します。

加えて、不登校の兄弟もずるいと感じる場合の親の対応方法についても具体的なアドバイスをお届けします。

この記事が、不登校に関わるすべての人が相互理解を深めるきっかけとなり、子どもたちが安心して自分の歩幅で進めるような社会をつくる一助になれば幸いです。

この記事のポイント
  • 不登校を「ずるい」と感じる子の気持ちの背景と理由
  • 不登校を「ずるい」と言われる子の苦しみとその影響
  • 不登校が「ずるい」と誤解される原因と真実
  • 不登校に関わる問題を解決する具体的な方法
目次

不登校はずるいのか

  • 不登校を「ずるい」と感じる子の立場で考えると
  • 不登校で「ずるい」と言われる子の立場で考えると
  • 不登校は本当にずるいのか
  • 不登校がずるいと感じられてしまう理由
  • 不登校をずるいと思う人の心の内にある3つのもの
不登校はずるいのか

不登校を「ずるい」と感じる子の立場で考えると

不登校を「ずるい」と感じる子の気持ちは、決して否定されるべきではありません。実際に学校に通いながら、不登校の兄弟や同級生を見て「ずるい」と感じるのは自然なことです。理由として、自分が学校で多くのプレッシャーに耐えて頑張っている一方で、不登校の子が家で自由に過ごしているように見えることが挙げられます。これが「自分だけが大変な思いをしている」という感情につながるのです。

さらに、行事だけに参加したり、親から特別にサポートを受けている不登校の子の姿を見た場合、それを「いいとこ取り」と感じることもあるでしょう。これらの状況が、不登校を「ずるい」と感じる気持ちを増幅させる原因です。

ただ、その背景には「自分も休みたいけど休めない」「親や先生の期待を裏切りたくない」という葛藤が隠れていることもあります。不登校を「ずるい」と感じる子自身も、学校生活に何かしらのストレスを抱えている可能性が高いのです。

文科省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」によると小中学校の不登校児童・生徒の人数は34万6482人で過去最多を更新しています。不登校が増加を続ける中で、ストレスを感じながら通学している生徒たちの一部が不登校を「ずるい」と感じるケースは増えていることが予想されます。

もし「不登校はずるい」と感じながらこの記事を読んでいる人がいたら、「ずるい」と感じる自分の感情を押し殺す必要はありません。誰かを責めたくなってしまうほど、あなた自身が大変な中、頑張っている証なんだと捉えてください

その上でもしできたら、以下も読んで「不登校の子がどんな状態にあるのか」について理解を深めてみてください。

不登校で「ずるい」と言われる子の立場で考えると

一方で、不登校の子にとって「ずるい」と言われることは、非常に傷つく経験です。不登校の子は、決して楽をしたくて学校を休んでいるわけではありません。学校生活で心や身体が限界を迎えた結果、登校が難しくなったという背景があるのです。

「ずるい」と言われることで、「自分の苦しみを理解してもらえない」と感じ、さらに自分を責めてしまう子もいます。その結果、自己肯定感が下がり、「学校に行けるようになりたい」という気持ちさえ薄れてしまうことがあります。

また、学校に行けない自分に対する罪悪感や親への申し訳なさを抱えている子も多いです。そうした中で「ずるい」という言葉を受けると、不登校の子は孤独感を深め、周囲との関係を築く意欲を失ってしまう場合があります。

私の教え子たちもそうでしたが、不登校の子自身が自分のことを「ずるいんじゃないか」と感じて自分を責め悩んでいるケースも本当に多いのです。そうした中に、他の人からも「ずるい」と言われてしまったら、それは本当に辛いことです。

不登校は本当にずるいのか

不登校は本当に「ずるい」のでしょうか?結論として、そうではありません。不登校は、心や身体が限界に達した子どもが、それ以上傷つかないために取る防衛反応の一つです。「ずるい」と見える行動の裏には、他人には見えない苦しみが隠されています

例えば、いじめや過剰な学業のプレッシャー、人間関係のストレスなど、登校できなくなる原因は人それぞれ異なります。不登校の子どもにとっては、家にいることが唯一心と身体を休ませる方法であり、生活を立て直すための時間が必要なのです。

また、不登校の生活には社会的なデメリットも多く含まれます。進学や就職に影響が出る可能性もあり、子ども自身も将来に不安を抱えています。これらを踏まえると、不登校は決して「ずるい」選択ではなく、生きるための精一杯の努力であることと言えます。

不登校が「ずるい」という誤解を解くためには、周囲の人々がその背景や苦しみに目を向け、適切なサポートを提供することが必要です。不登校は決して甘えや怠けではなく、回復への大切なステップなのです。

不登校がずるいと感じられてしまう理由

不登校が「ずるい」と感じられてしまう理由の背景には、学校に通うことが「当たり前」とされる社会の価値観があります。学校に通っている子どもから見ると、不登校の子どもが自由に見えることが「ずるい」という感情につながります。

例えば、登校している子どもは、早起きして毎日学校へ行き、授業や宿題、人間関係などに日々取り組んでいます。一方で、不登校の子どもが家で過ごしている姿や、学校行事だけに参加する様子を見ると、「自分ばかりが我慢している」と感じるのも無理はありません。

また、大人の中にも、「学校に行くのが普通」という固定観念を持つ人が少なくありません。そのため、不登校の子どもに対して「楽をしている」「ずるい」と考えてしまうことがあります。このような意識は、学校の外にいる子どもたちの生活や背景を知らないことから生じる誤解です。

私の教員経験から言えば、登校している子どもたちが不登校の子に対して「ずるい」と感じる場面に何度も直面してきました。例えば、特別な支援を受ける不登校の子どもに対し、「自分にはそんな時間を割いてもらえない」と不公平感を覚えるケースもありました。しかし、その裏には「自分も認めてもらいたい」「大変さを分かってほしい」という願いが隠れていることが多いのです。

不登校がずるいと感じられるのは、表面的な生活の違いだけでなく、他者の状況や背景を知る機会が少ないからこそ生まれる感情だと言えるでしょう。

不登校をずるいと思う人の心の内にある3つのもの

不登校を「ずるい」と思う人の心の中には、さまざまな感情や考えが絡み合っています。主な要素として、「頑張っている自分との比較」「不公平感」「自分の状況への不満」が挙げられます。

  1. 頑張っている自分との比較
    学校に通い続けている人は、多くの困難に直面しながらも努力を重ねています。そのため、不登校の子どもが休んでいる状況を見て、「自分ばかりが苦労している」と感じてしまうのです。
  2. 不公平感
    不登校の子どもが特別な支援を受けていたり、学校の一部行事にだけ参加していると、登校している子どもや親から「自分たちだけが我慢している」と思われることがあります。これが、「ずるい」という感情に直結します。
  3. 自分の状況への不満
    たとえば、「本当は学校を休みたい」「家でゆっくりしたい」といった願望を抱えつつも、それを実現できない人が、自分と対照的な不登校の子どもに「ずるい」というレッテルを貼ることで、自分を納得させている場合もあります。

私が現場で感じたのは、これらの感情の裏側には、実は「認めてもらいたい」「自分も楽になりたい」という切実な思いが隠れているということです。特に、不登校の子どもに向けられる「ずるい」という感情は、その人自身が抱えるストレスや未解決の課題を映し出しているケースが少なくありません。

こうした感情を解消するためにも、不登校が生じる背景や理由を丁寧に知ってもらいたいです。そして、自分自身の気持ちに気づき、整理するプロセスに進んでいくことを願います。不登校をめぐる問題は、互いの理解と対話を深めることで解決の糸口が見つかると私は信じています。

不登校はずるいと言った子、言われた子の事例

  • 不登校はずるいと感じていた子のエピソード
  • 不登校はずるいと言われた不登校の子のエピソード
「不登校はずるい」を言った子、言われた子の事例

不登校はずるいと感じていた子のエピソード

K.Mさんは中学2年生の頃、クラスの不登校の子に対して「ずるい」と強く感じていました。その子は普段の授業には出てこないのに、文化祭や体育祭といった行事にだけ参加していたからです。K.Mさんは「みんなが準備を頑張っているのに、いいとこどりをしている」と不満を抱いていたのです。

しかし、あるきっかけでその不登校の子の背景を知ることになります。K.Mさんは担任の先生から、不登校の子が学校に行きたくても行けない理由や、家でどれだけ孤独を感じているかを聞きました。また、不登校の子が「自分が家にいるせいで親を心配させている」と悩み、心身のバランスを崩して苦しんでいることも知りました。

そのときK.Mさんは、「学校に行くのが当たり前」という自分の価値観が、相手を理解する妨げになっていたことに気づきました。それ以降、K.Mさんは不登校の子の気持ちに寄り添うようになり、学校生活で小さな一歩を踏み出したその子をサポートする側に回りました。

K.Mさん自身が「ずるい」と感じていた気持ちを理解し、不登校について考えを改めた経験は、多くの人にとっても気づきのきっかけになるでしょう。不登校の背景を知ることで、共感とサポートの大切さを学べるエピソードです。

不登校はずるいと言われた不登校の子のエピソード

U.Hさんは、小学校6年生の頃から不登校になりました。原因は人間関係のトラブルやプレッシャーによるストレスでしたが、本人は家にいることに罪悪感を抱きながらも学校に行けない日々を過ごしていました。

中学2年生になった頃、U.Hさんは少しずつ気持ちが落ち着き、別室登校で短時間だけ学校に通い始めました。しかし、その姿を見たクラスメートが「ズルしてる」「そんなの登校とは言えない」と言い放ちました。この言葉にU.Hさんは大きく傷つき、しばらく学校から足が遠のいてしまいました。

その後、クラスメートの一人がU.Hさんの事情を知り、手紙で「軽はずみな発言だった。傷つけてごめん」と謝罪しました。この手紙を受け取ったU.Hさんは、「もう一度頑張ってみよう」と思うようになり、再び別室登校を再開しました。最初は短時間の登校でしたが、徐々に時間を延ばし、クラスメートと少しずつ打ち解けていきました。

中学3年生の2学期には、ついにクラス全員と一緒に過ごすことができるようになりました。この経験を通して、U.Hさんは「誰かが何を言おうとも、自分のペースで進んでいく強さ」を学びました。

U.Hさんのエピソードは、不登校から復帰を目指す過程で傷つきながらも、周囲の理解やサポートがあれば新しい一歩を踏み出せることを教えてくれます。そして、こうした経験が、他の不登校の子どもたちへの勇気を与えることにつながるに違いありません。

不登校=ずるい問題の解決方法

  • 不登校はずるいと感じる子に知ってもらいたいこと
  • 不登校をずるいと言われた場合の対応方法
  • 別室登校もずるいと思われる?思われた場合の対処法
  • 昼間から出かけるとずるいと思われる?思われた場合の対処法
  • 不登校の兄弟もずるいと感じる?兄弟への親の対応方法
「不登校はずるい」問題の解決方法

不登校はずるいと感じる子に知ってもらいたいこと

不登校は、外からは分かりにくい心の苦しさや孤独感と向き合う状態です。学校に行くことが難しいと感じる背景には、いじめ、過度なプレッシャー、自己否定感、家庭環境など、さまざまな理由が複雑に絡み合っています。不登校の子どもたちは、「行きたいのに行けない」というジレンマの中で自分を責め続けていることも多いのです。

一方で、学校に通っている子が不登校を「ずるい」と感じるのも理解できます。毎日、授業や部活動、人間関係の中で一生懸命頑張っているからこそ、学校に行かない選択をしているように見える不登校の子どもが「楽をしている」と映ってしまうのかもしれません。

しかし、不登校は決して楽をしているわけではなく、学校生活を続けることが難しい状況に追い込まれている結果です。たとえば、心のエネルギーが尽きた状態で、自宅で過ごすことで何とか自分を保っている子もいます。目に見えない苦しさを抱えていることを少しでも知ってもらえると、不登校の見え方が変わるはずです。

私が教員時代に支援してきた生徒の中には、最初は不登校の友達を「ずるい」と思っていた子が、その背景を知ることで考え方を変え、不登校の子を支える立場になった事例もありました。苦しんでいる人の存在を知ることが、お互いの理解を深める一歩になるのです。

不登校をずるいと言われた場合の対応方法

不登校の子どもが「ずるい」と言われた場合、その言葉に大きく傷つくことがあります。特に、不登校の状態から回復に向けて頑張っている途中でこのような言葉を浴びると、前向きな気持ちがくじけてしまうかもしれません。

まず、不登校を「ずるい」と感じる人の背景にも目を向けてみると、少し受け止めやすくなることがあります。その多くは、「自分も学校が辛い」という感情を抱えている場合です。不登校の子に対する「ずるい」という言葉は、自分の頑張りを認めてもらいたい、または自分も同じように休みたいという気持ちの表れかもしれません。

それでも、心が傷ついたと感じたら、無理にその気持ちを抑え込む必要はありません。しばらく休んで心を癒やす時間を持って構わないのです。その一方で、将来の人生では、誤解や偏見に基づいた言葉をぶつけてくる人もいるかもしれません。しかし、傷ついた経験を乗り越えることは、後の自分を強くする糧になります。

私が支援した生徒の中には、「ずるい」と言われても、少しずつ登校を再開し、周囲に理解されるようになったケースがあります。その過程で得た自信や成長は、その後の大きな財産になったのです。「ずるい」と言われたときはとてもつらいですが、その経験がいつか自分を支える力になると信じてほしいと思います。

別室登校もずるいと思われる?思われた場合の対処法

別室登校は、不登校からの回復のために勇気を振り絞った大きな一歩です。しかし、クラスメートの中には、それを「ずるい」と感じてしまう人もいるかもしれません。普段の教室に通っている生徒たちからすると、別室登校が「逃げている」と映ることもあるからです。

別室登校をしている自分に対して「ずるい」と言われたとき、まず覚えておいてほしいのは、自分がしていることは決して「ずる」ではないということです。別室登校は、自分を守りながら学校に戻るための挑戦であり、とても勇気のいる行動です。教室とは違う場所でも、学校に足を運ぶこと自体が大きな努力であり、簡単なことではありません。

私が見てきた生徒たちの中にも、別室登校から始めて少しずつ復帰を目指し、最終的には教室での生活を取り戻した子がたくさんいます。別室登校の過程で「ずるい」と言われることがあっても、それはあなたの挑戦を否定するものではありません。むしろ、その挑戦が自分の心を鍛え、未来への自信につながるのです。

どんな状況でも、自分の努力を信じ、焦らずに進んでいってほしいと思います。

昼間から出かけるとずるいと思われる?思われた場合の対処法

不登校の子どもが昼間に外出することに対して「ずるい」と思う人がいるかもしれません。しかし、これを気にしすぎる必要はありません。むしろ、「出かけたい」という気持ちや実際の行動は、不登校からの回復に向けた重要なステップです

不登校の子どもにとって、自宅にこもり続ける生活は心身に大きな負担を与えます。外の空気を吸い、少しでも気持ちをリフレッシュすることは、エネルギーを取り戻す上で欠かせないプロセスです。例えば、公園を散歩したり、近所の買い物に付き添ったりすることは、心を穏やかにし、前向きな気持ちを養うきっかけになります。

私がこれまで支援してきた不登校の生徒たちの中にも、昼間の外出を通じて少しずつ社会との接点を取り戻し、最終的に登校に向けて前進したケースが数多くありました。昼間の外出を「ずるい」と受け取るのは、外見だけで状況を判断しているからかもしれません。しかし、不登校の子どもにとって、その行動は大きな挑戦であり、心の回復を目指す大切な一歩なのです。

もし「ずるい」と言われたときは、その言葉にとらわれるのではなく、自分の気持ちや回復を大切にしてください。少しずつできることを増やしていくことが、不登校を乗り越える力につながります。周囲が理解してくれることを期待するのも良いですが、まずは自分自身を大切にすることが最も重要です。

不登校の兄弟もずるいと感じる?兄弟への親の対応方法

不登校の兄弟を持つ子どもが「ずるい」と感じるケースはよく見られます。不登校の子が家で過ごしている姿を目の当たりにすると、登校している兄弟が「自分だけが頑張っている」と不満を抱くのも自然な感情です。

私が教員として関わってきた家庭でも、兄弟間でこのような感情が生じたことは少なくありません。特に、不登校の子が自由に見えると、登校している子が不公平感を感じることがあります。親として、このような状況に直面したときは、兄弟が抱える「わだかまり」を察知し、それを解消するための機会と考えることが大切です。

まず、兄弟の感情に寄り添い、「どうしてそう感じるのか」を丁寧に聞くことがポイントです。「ずるい」と感じる背景には、学校生活でのストレスや不安、親に認めてもらいたいという気持ちが隠れている場合もあります。その思いを聞いてあげるだけで、気持ちが軽くなることもあるのです。

次に、不登校の兄弟がどのような状況にあるのか、少しずつ理解を促していきましょう。不登校は甘えや楽をしているわけではなく、心身のエネルギーを回復させるために必要な時間であることを、わかりやすい言葉で伝えると良いでしょう。例えば、「お兄ちゃんは今、学校に行くのが辛くて心を休めているんだよ」と説明するだけでも、兄弟の受け止め方が変わることがあります。

また、登校している子どもの頑張りを認め、特別な時間を作るのも効果的です。親がその子にだけ時間を割いて話を聞いたり、ちょっとしたご褒美を用意することで、不満が軽減する場合もあります。こうした工夫を積み重ねることで、兄弟間の相互理解が深まり、不登校の子への見方も少しずつ変わっていくでしょう。

実際に私が関わった不登校の家庭でも、お母さんが不登校の子の弟の気持ちをよく汲みながら関わり続けたことで、不満を感じることがなくなり逆に、不登校の兄に対して弟がサポートをするようになったケースがありました。

親として、兄弟間の感情に気を配りながら、それぞれが安心して過ごせる環境を整えていくことが大切です。

不登校=ずるい問題は相互理解のきっかけ:まとめ

この記事の要点
  • 不登校を「ずるい」と感じる子の感情には努力と不公平感が影響している
  • 「ずるい」と言われた不登校の子は自己肯定感を下げることが多い
  • 不登校は心や体を守るための防衛反応である
  • 学校に通う価値観が固定観念を生み、不登校を誤解させる要因となる
  • 不登校を「ずるい」と思う背景には個々のストレスや未解決の思いがある
  • 「ずるい」を乗り越える過程で相互理解が生まれる
  • 不登校の回復には周囲の理解と適切なサポートが必要である

不登校をずるいと感じる子にもその子なりの背景があります。またずるいと言われた不登校の子にも言い知れぬ悲しみがあります。

しかしこの記事で見てきたように「不登校はずるい」という問題が、不登校ではない子が不登校の子を深く理解したり、不登校の子自身が強く前に歩みだしたりするきっかけになることもあるのです。

「不登校はずるい」というネガティブな言葉が、ポジティブな結果を生むことができることを知って、「ずるい」と感じた経験、言われた経験を人生の役に立てていってもらいたいと願います。

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