※本記事は、以下の記事のサブ記事となります。
不登校の原因は大変ややこしく、全体像を理解するには、かなりの分量の記事となるため、いくつかのサブ記事に分けて解説を加えています。
その点、ご了承の上、お読みくださいませ。
では早速、本題に入っていきましょう。
不登校は根本的な原因であるその子の「気質」と、様々な要因がかけ合わされて起きます。
もっと言うと、原因と要因がかけ合わされた結果として、心身や行動に様々な症状が現れ、そのために不登校に至るのです。
本記事では代表的な症状(変化の状態タイプ)を5つ解説していきます。
1.不安型
登校することに強い不安や緊張を感じたり、ひどく落ち込んだりするようになるケースです。時にパニックを起こすなど情緒的な混乱が続き、ひどくなると以下のような神経症の症状が出る場合があります。
・不潔恐怖(潔癖症)
何度も手を洗わないと気が済まない。家の外や学校には怖い菌がいて近づけないと妄想を抱く。
・醜形恐怖(しゅうけいきょうふしょう)
自分の顔や体の一部がとても醜いという妄想が頭から離れず、人前に出ることに強い恐怖心を抱く。
・解離性健忘(記憶障害)
記憶の一部が抜け落ちてしまう。
・摂食障害
極端に食事を減らしたり、逆に食べ過ぎを繰り返したりする。
これらの情緒的な混乱が続き、登校ができなくなっていきます。
この不安型の場合、登校できなくなったあとに、登校できないことに対する罪悪感や焦りも抱き、さらに情緒が乱れるケースもよくあります。
この不安型は、行き詰ったまま時間が過ぎていくと次第にやる気をなくし、下記の「無気力型」に移行していく場合があります。
2.無気力型
登校や学習など日常的に「やらなければならないこと」に意欲が湧かず、無気力な状態になるケースです。
ゲームをしたりインターネットを見たりするなど好きなことはできますが、登校などストレスを感じることを嫌がり回避しようとします。
この状態が長く続くと、学校に通わなければならないという義務感もほとんど感じないようになります。また将来を考えることをできるだけ回避して、現状の生活をできるだけ続けることを望むようになることも多いです。
先ほど述べた「不安」の場合は、その原因や要因を辿っていけるケースが多いですが、この「無気力」の場合は、学習についていけないなど明確に無気力に至ることが分かるケースもあれば、大人の目からみてなぜ無気力になっていくのか読み取れないケースもあります。
3.身体の不調型
頭痛や腹痛を訴えるケースです。病院で検査してもらっても特に異常は見当たりません。
学校に行こうとすると身体の不調が強くなり、学校を休んでしばらくすると痛みがおさまることもよくあります。
この身体の不調は、不安型や無力型でも併発して起こることがあります。
4.遊び・非行型
家庭や学校以外に居場所を求めて仲間をつくって遊びまわったり、非行や外泊を繰り返したりして、登校しなくなっていくケースです。
様々な事情で家庭や学校に自分の居場所を見出せないために、自ら居場所を求めて動けるという点では、不安型や無気力型、身体の不調型に比べて、エネルギーはあります。しかし非行を繰り返すなど大きな問題に発展してしまうケースもあり注意が必要です。
5.意図的な登校拒否型
「学校に行く必要がない」というはっきりとした意思をもって、登校を拒否するケースです。
不安や無力感があるわけではなく、遊びや非行に居場所を求めるということもありません。
どちらかというと学校の仕組みや教員のやり方、集団生活などに不満があり、学校に行く意味を見出せないのです。
やりたいことや将来の目標がしっかりと決まっていることも多く、自宅学習には意欲的に取り組むことができます。
その子自身のもつ特殊な性質に【ギフテッド】があり、学校で学ぶより自分で学ぶ方が早く、必要な関係性を学校以外に構築して目標を達成しているタイプなら、不登校のままでも将来的に社会で力を発揮できる場合も多くあります。
一方で、その子の気質に
【一人が好きなタイプ】、【だらしないタイプ】、【ストレスに弱いタイプ】、【変化を嫌うタイプ】がある場合や、
その子自身のもつ特殊な性質に、
【発達障害】がある場合、
その子にとっては「自分でできる」と思っていても、社会生活を送る上で必要になる知識や経験を独力では十分に身に付けられない可能性もあります。
その子の気質や性質をよく読み取った上で、学校復帰を目指すかどうか判断していく必要があります。
「不登校になるときの症状」についてご理解いただけましたか?
お子さんの症状は、5つのうち、どれに当てはまりましたか?
どちらかというと、くらいで構いません。お子さんの症状を頭にイメージした上で、元の記事をさらに読み進め、不登校の原因を解き明かしていってください。