【不登校の第一の要因】その子自身がもつ特殊な性質

「不登校の第一の要因 その子の特殊な性質について」のタイトルの端にもぐら姿の地底人アイコンがいる画像

※本記事は、以下の記事のサブ記事となります。

不登校の原因は大変ややこしく、全体像を理解するには、かなりの分量の記事となるため、いくつかのサブ記事に分けて解説を加えています。

その点、ご了承の上、お読みくださいませ。

地底人

では早速、本題に入っていきましょう。

根本的な原因である「気質」がその子自身が生まれながらにもっている心や行動の傾向であるのに対して、この第一の要因は、おおむねその子の身体や脳にまつわる特殊な性質を指します。

以下に、不登校に関わりが深い5点を解説します。

目次

1.アレルギーや低血圧など不便な疾患

「低血圧」をイメージして、男子生徒が朝、だるそうにしているイラスト

アレルギー持ちだと、かゆみや咳、鼻水などに悩まされたり、食物アレルギーの場合だと、食事に気を付けなければならなかったり、日常生活の様々な場面で不便を強いられます。

低血圧の傾向があると、毎日寝起きからだるさと戦うことから始めなければなりません。

その他、慢性疾患を持っている場合、その疾患によっての苦痛や、通院や入院などの不便が発生します。

例えば、【ストレスに弱いタイプ】という気質をもっている子が、これらの不便を日々余儀なくされると、そもそも日常生活を送るだけで心をすり減らしやすいですよね。

2.発表や運動の素質的な苦手さ

「運動の素質的な苦手さ」をイメージして、女子生徒がバスケットボールをぎこちなさそうにしているイラスト

 発声器官や運動機能が生まれつき不器用な子は、周囲と同じだけの練習をしても、人前での発表や運動でどうしてもうまくいかないことが多くなってしまいます。

 例えば、【集団の中にいて調和を保とうとするタイプ】&【真面目なタイプ】という気質をもっている子だと、みんなと同じようにしようと一生懸命に頑張りますが、それでもうまくいかなくて、たとえ【ストレスに強いタイプ】だったとしても、強いストレスがかかりやすい場面が出てきてしまいます。

3.発達障害

「発達障害」をイメージして、男子生徒が周囲のクラスメートたちからからかわれているイラスト

 ASD(自閉症スペクトラム)やADHD(注意欠如・多動症)、SLD(限界局性学習症、以前は学習障害(LD)と言われていたもの)、DCD(発達性協調運動障害)などの発達障害を抱えている子は大変です。

 ASD(自閉症スペクトラム)の子は、対人関係が苦手で集団から浮いてしまったり、嫌がられてしまったりすることがあります。

 ADHD(注意欠如・多動症)の子は、話を聞いていなかったり忘れ物が多かったりして叱られやすく、衝動的に動くことで周囲とトラブルになることも多いです。

 SLD(限界局性学習症)の子は、文字の読み書きや計算などある特定の分野で、どんなに努力をしても周囲と同じような成果を得ることができず、みじめな思いをしやすいです。

 DCD(発達性協調運動障害)の子は、不器用さや動きのぎこちなさのために周囲からからかわれがちで、強い劣等感を感じやすいです。

※先述の「運動の素質的な苦手さが」が平均よりやや苦手レベルであるのに対して、DCDは「社会生活に支障が出る」レベルの苦手さになります。

 例えば、【ストレスに弱いタイプ】という気質をもっている子だと、発達障害に伴う様々な困難に圧倒されやすいでしょう。

 【ストレスに強いタイプ】だったとしても、【まじめなタイプ】で一生懸命に頑張るけど、それでもうまくいかない経験を重ねれば、次第に無気力になったり投げやりになったりすることもあり得そうですよね。

4.ギフテッド

「ギフテッド」をイメージして、女子生徒が授業中に退屈そうにしているイラスト

ギフテッド(gifted)というのは、高い知能や創造性をもち、一般の同年齢の人々よりも高い学習や成果を発揮する人のことを指します。

一見、いいことづくめのようですが、周囲より高い知能をもつがゆえに、授業で分かり切ったことを説明されることに退屈を感じたり、周囲が幼く見えて関わることが面倒に感じたりすることがあり、同年齢で画一的な教育を受ける学校生活においてストレスがかかる場面が多いです。

例えば、【人と関わるのが好きなタイプ】でも、周囲と話が合わずに孤独を感じやすいことがあり得ます。

【調和を乱してでも自己主張するタイプ】なら、退屈な授業を批判して問題児と見なされる場合もあります。

【だらしないタイプ】なら、なぜこんな退屈なことをしなければならないんだと学校へ行く気をなくすかもしれません。

5.その子の運命の傾向

「運命」をイメージして、男子生徒が肝心なところでミスをして気が動転しているイラスト

これは身体や脳の性質とは少し違いますが、間違いなく重要な要因なので挙げておきます。

その子の運命の傾向とは、おおげさに聞こえるかもしれませんが、個人個人がなぜか繰り返し出会いやすい結果のパターンのことです。

例えば、以下のようなものです。

・肝心なときだけなぜかいつもミスをしてしまう傾向

・一生懸命やるのになぜか挫折しやすい傾向

・特に理由が見当たらないのになぜかぽつんと一人になりやすい傾向

・どの集団に入っても、必ず自分のことを目の敵にする人が出てくる傾向

などなど。

マイナスなことばかり書きましたが、プラスなことももちろんあります。

・間違えたことをしても、なぜか間違いを正してくれる出来事が起こりやすい傾向

・どんなピンチでも結局うまくいくことが多い傾向

・自然と周りに人が集まってくる傾向

・どんなときも必ず助けてくれる人が現れる傾向

お母さまにも、何か思い当たる運命の傾向があるのではないでしょうか。

1~4の身体や脳の特殊な性質は、特にもっていない子もいますが、この運命の傾向だけは、人間誰もが必ずもっているものです。

お子さんのこれまでを振り返ったとき、何か運命の傾向で思い当たるものはありますか?

もしあるとすれば、それは今後、不登校を克服していく過程においても、そして克服した後の長い人生の様々な場面においても、その子が繰り返し出会うパターンである可能性があります。

その子がもつ運命の傾向をあらかじめ頭に入れておくことで、困難に直面した子どもをどう見守ろうか、どう支援しようか、どう声かけしようか、冷静に判断しやすくなると思います。

少し脱線しましたが、この「運命の傾向」と「気質」との関係ですが、例えば、一生懸命やるのになぜか挫折しやすい運命の傾向がある子で、【ストレスに弱いタイプ】&【変化を嫌うタイプ】という気質をもっている場合、新しい挑戦を怖がり、すでにできること(好きなゲームなど)に没頭するということがあり得ます。

「その子自身がもつ特殊な性質」についてご理解いただけましたか?

お子さんには何か特殊な性質はありましたか?またお子さんのもつ運命の傾向について、何となくイメージできましたか?

それらを頭に描いた上で、元の記事をさらに読み進め、不登校の原因を解き明かしていってください。

※こちらから元の記事の続きへジャンプすることができます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次